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2008年の映画デビューから11年、女優として着実にキャリアを重ね、優しさとしなやかさを増した土屋太鳳さん。いつもまとっているふんわりとしたイメージは、演じる役によって一変します。様々な表情とたぐいまれな身体能力を兼ね備え、どんな役も器用に演じ分ける土屋さんに、仕事への向き合い方を伺いました。

「ガーナ」CM出演が転機に。「夢はかなえられる」と知った

——土屋さんが目指す女優像は? 尊敬している人はいますか?

涼しげな浴衣姿でCM撮影

『まれ』で共演した田中裕子さんは、私が目標とする憧れの方です。つい最近も『おしん』の再放送を観たのですが、おしんの初恋の人を演じた渡瀬恒彦さんとのシーンで、「君、明日もおいでよ」と誘われた時の田中さんの表情に、ゾクゾクしました。たった3秒ほどの間に「うれしい」「どうしよう」「不安」「でも行きたい…」という複雑な感情が見事に表現されていて、私もこんな風に演じられる女優になりたい!と思いました。

——田中さんとのお付き合いは、今も続いているのですか?

仲よくさせていただいています。本当に素敵な方で、口数は多くないのですが、腹式呼吸みたいに言葉が「深い」んです。一言一言にうそがなくて、本物の感情がこもっていると感じます。この春、一緒にお花見をしたときに、「太鳳は、ぼーっとすることを勉強するといいよ」とアドバイスをいただきました。「ぼーっとするって、すごく苦しいよ。難しいことだから、ぜひやってみなさい」と。そこで先日、久しぶりに公園に行ってみたんです。普段はこれやろう、あれやろうとつい気がせいてしまうので、ぼーっとするのって実は難しいと実感しました。でも、びっくりするくらい気持ちがよくて。時には、胸に手を当てて鼓動に耳を澄ますとか、自分のことをわかってあげる時間を持つのも大事なことだな、と気づかされました。

CM発表会では雪見うさぎの風鈴を生演奏

——息抜きも必要ですね。土屋さんにとって、何をしている時が一番、息抜きになりますか?

料理を作っている時です。楽しいし、ワクワクします。テレビの料理番組で見たレシピを試してみたり、家にある食材で何を作ろうかと考えたり。食べてみておいしかった時の「やった!」という瞬間がたまりません。作り置きした料理が余ってしまった時は、弟を呼び出します。無理やり食べさせている気もしますが(笑)、「おいしい」と喜んでくれるのがうれしいです。

——「雪見だいふく」などのロッテのCMでは、食べることが大好きな土屋さんのおいしい笑顔が印象的です。

いつも楽しくお仕事をさせていただいています。初めて出演した「ガーナ」のCMは、女優として経験の浅かった私が、その後も仕事を続ける上で大きな転機になりました。中学2年生の時に「ガーナ」の母の日のCMを見て以来、いつか出演したいとずっと思っていたので、お話をいただいた時はとてもうれしかった。「夢はかなえられるのかもしれない」と初めて思いました。その後、「雪見だいふく」のCM出演が決まったときも、みんな大好きなアイスなので、マネージャーが興奮して、「決まったよー!!!」って盛り上がったことを思い出します。

雪見うさぎと「夏雪見」

——最後に、好きな言葉を教えていただけますか?

「一期一会」という言葉が好きです。作品づくりをしていると、短いスパンでお別れが来てしまうので寂しいのですが、だからこそ多くの出会いがあるとも言えます。その出会いを大切にするかどうかはその人次第だけれど、私はひとつひとつの出会いに愛情をいっぱい込めたいと思っています。最近は、家族や友達と会う時も、仕事をする時も、1日単位で区切って考えるようにしています。人でも仕事でも、この出会いは今日限りだと思うと、「あんなこと言わなければよかった」とか、「私はこんなに努力しているのに」ということが少なくなります。後悔を残さず、1日1日を大切に生きる。これからもそんな風に、素敵な出会いを楽しみにして、進化し続ける土屋太鳳を皆さんにお見せできたらいいな、と思います。

取材・文 森 奈津子

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土屋太鳳(つちや・たお)
土屋太鳳(つちや・たお)
1995年生まれ。東京都出身。2005年、スーパー・ヒロイン・オーディション ミス・フェニックスで審査員特別賞を受賞。08年映画でデビュー。15年、NHK連続テレビ小説『まれ』のヒロインに抜擢され、注目を浴びる。以降、数々のドラマに出演し、『カッコウの卵は誰のもの』(WOWWOW)、『チア☆ダン』(TBS)では主演を務めた。映画主演作は『青空エール』『トリガール!』『8年越しの花嫁』など多数。18年には『プルートゥ PLUTO』で舞台に初挑戦。16年、第40回エランドール賞 新人賞、第39回日本アカデミー賞 新人俳優賞、17年、第9回TAMA映画祭にて最優秀新進女優賞を受賞、18年には第41回日本アカデミー賞 優秀主演女優賞に輝く。同年の『第60回 輝く!日本レコード大賞』の司会も見事に務めあげ活躍の場を広げている。現在、日本テレビ系バラエティー『ぐるぐるナインティナイン』(毎週木曜日)の「グルメチキンレース ゴチになります20」に出演中。NHK・BSにて『Wの悲劇』(11月23日放送予定)が待機中。
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