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YOUさん

18歳でモデルデビュー後、歌手、タレント、女優、エッセイストと、多岐にわたって活躍を続けているYOUさん。今秋から、ロッテの洋酒入りチョコレート「ラミー」「バッカス」の新CMに出演、“大人チャーミング”な姿を披露してくれています。ゆるっとした外見とかわいらしい語り口に隠されたYOUさんの素顔に迫りました。

今の仕事が向いている理由

——YOUさんは、タレント、女優、歌手、エッセイストと、多方面でご活躍されています。ジャンルが違うと、気持ちの切り替えなど大変ではないでしょうか。

違うように見えるかもしれないのですが、実はあまり違いはないんです。それぞれするべき準備や使う能力は異なりますが、気持ち的にはどの仕事も一緒。特別、切り替えたりはしないですね。

——するべき準備や使う能力が違うというのは?

お芝居は、事前にセリフを覚えたりキャラクターを把握したりする必要があります。でもバラエティーは、収録の場で共演者と作っていくもの。準備するべきことはほとんどなく“瞬発力”が必要となる仕事なんです。また、CMは商品が主役。クライアントさんの“作品づくり”に参加している立場なので、自分のことはどうでもいい(笑)。もちろん、「アイデアありますか?」と問われれば提案はしますが、まずは求められていることを忠実に表現することに集中します。

CMのひとコマ

——気負うことなく、仕事ごとに異なる“役割”や“場の空気”を読み取り、自然に対応されていらっしゃるのですね。

例えば、居酒屋と高級レストランのように真逆の場所で過ごすときは、特に意識しなくても、振る舞いは変わるものですよね。どこにいても、誰と一緒でも、失礼がないように、というのは前提ですが、その時々で、人や場の様子を見ながら合わせていくというか。仕事もそれと同じ感覚です。

——なるほど。

そもそも私、同じ時間に同じ場所で同じ人と仕事をすることに息苦しさを感じて(笑)。だからこういう仕事をしているというか。7時発の電車で通うのは学校でおしまいにしたくて就職もしたくなかった。会社員生活なんて絶対に続けられないと思っていたから(笑)。

——YOUさんは原宿でスカウトされ、モデルとして芸能界デビューされました。そのときもずっと続けようとは思っていなかった?

そのときは特に考えていなかったと思います。勧められるままモデルの仕事を楽しんで、1年くらいやっているとまた別のお仕事の誘いがあったので、それもいいかな~という感じ? 最初はどんな仕事も興味を持って臨むのですが、ルーティンになるとストレスがたまってしまう性質なのです。バラエティーの仕事にしても、50歳までは、なるべくレギュラー番組は持ちたくなかった。理想は、ゲストとして毎回違う番組に出演させていただくこと(笑)。けれども、さすがに大人になってレギュラーも持つようになって、レギュラーで出演する楽しさも分かってきました。

人を観察するのが大好き

——YOUさんは、「自然体」という言葉がとてもお似合いのように思うのですが、ご自身がそう表現されることについてはいかがですか?

多分ね、自然体ではないと思う。ただ、「自然体ですね」と言われること自体は嫌いじゃないです。周囲を緊張させない人といったイメージでそう言って下さっていると思うので、私を見てリラックスしてもらえるならうれしいです。そもそも「自然体」ってどういう人のことなんでしょう(笑)。褒め言葉として使っていただいていると思うのですが、言い換えると「好き勝手している人」というような意味にもとれるかも……。それについてはちょっと自覚しています(笑)。嫌いなことははっきりしているので、顔にも出ちゃう。だからそんな風にならないよう、好きな友だちをいっぱい作って、行きたいところに行って、好きなモノに囲まれるようにしているところ、ありますね。

——自分に正直なのですね。

それもまた褒めてる! 要は好き勝手しているわがままな人なんです(笑)。

——著書の『YOUのこれからこれから 人生編』は、女性誌で長期にわたって連載されていた読者の身の上相談をまとめたものですが、そのなかでもYOUさんは、おかしいと思うことはおかしいと正直に書いていらっしゃいます。自分を否定されることに慣れていない人が多い現代にあって、YOUさんの正直な回答を聞きたいと思う読者がたくさんいらっしゃったということだと思います。

そこはね、ずるいの。バーンと言うくせに、あとでうまくフォローするから。どんな相手でも大げんかした翌日に「ごめんね~」と謝ってすぐに仲直りできちゃう。ビンタしてからキスしたりする。そういう帳尻合わせが得意なんです。大人になるとプライドが邪魔するのか、一度口にしたことは訂正できないと思っている人が多いけど、私は平気。極端な話、自分が間違っていると気づいたら「さっき私は赤だって主張したけど、やっぱ黒だわ。君の言っていたことは正しい」と即座に認められる。分からないこともすぐ聞けます。格好悪いからといって聞けない、という方がよほど格好悪いと思っているから何でも聞けるし、間違えたらすぐ謝れる。

——やはり正直ですね(笑)。だからこそ、多くの方から共感を得られるのだと思います。ところで、この著書からも、日頃のバラエティーでのコメントからも、YOUさんの鋭い洞察力に感服しています。日頃からよく人の観察を?

見ますね~。しかも細かいです、見るところが。例えば、遠目で誰かと誰かが楽しそうに笑っていたとして、振り向きざまに片方の人が真顔になったりすると、「あ~、この人、本当に楽しくて笑っていたわけではないのだな」と分析したりします。人を観察するのが趣味(笑)。

——“人”がお好き、なのですね。

というより、“人を見る”のが好き。楽しくて仕方ない。だから、カフェにも一人でよく行きます。そこで周りの人の会話に耳を澄まして、ずっと見てる(笑)。

——多くの方と接することのできる今の環境はYOUさんにはなくてはならないものだと思いますが、芸能界以外の環境に身を置くとしたらどんな仕事がいいですか?

よく行く近所のスーパーのレジ打ち! 格好いいんですよ、そこで働いている皆さんが。作業を見ていると、単純に重たいモノからカゴに移し替えているだけじゃなく、傷みやすい食品や冷凍食品は個別に包装するなど、即座に分別して、配慮が実に細かかったりするんです。それと、深夜のファミリーレストランでも働きたいですね。温かいハンバーグが冷めないよう、各テーブルとの動線を細かくチェックしたりして、最後にはホール長まで上り詰めてみたい。だけど、同じ事は長くは続けられないタイプだから、半年で。「あのおばさん仕事できたよね~」って惜しまれながら辞めるの(笑)。それで後輩にはノウハウは全部教えて。そういうのが理想、夢です。

今、熱中しているのは“韓流”

——忙しい毎日でほっとする瞬間、癒やされる瞬間を教えてください。

お風呂と睡眠時間です。夜はベッドに入った途端、眠れます。お風呂は昭和世代なので、湯船にはお湯をいっぱいためてつかります。3分で出てきちゃうけど、それでも湯につかることでリラックスできるのだと思います。

——美容や健康で気をつけていることは?

週一のジム通いと、乾燥予防の肌ケア。炭水化物は年間を通してほとんど食べません。我慢していますね。お酒を飲むので食事を削ります。

——思いっきり食べたくなりませんか?

お肉と野菜は大好きなのでそれはゴリゴリ食べています。タンパク質とビタミンはきちんと取って栄養のバランスは保っていますね。

——休日の過ごし方は?

1日程度の休みなら、疲れ具合で決めます。疲れていたら家事をやり、あとはだらだらとDVDを観て寝ますが、元気なら夜は人に会います。長めの休暇であれば海外旅行ですね。レギュラー番組に支障を及ぼさない3泊5日程度で楽しめる場所を探します。昔からパリコレには必ず行っていたので、今はパリを優先してしまいます。向こうに友だちも多いので、一人でも行きますね。若い頃は1泊3日でNYまでライブを観に行ったり、日帰りで韓国料理を食べるためだけにソウルに行ったりもしました。正月休みはありますが、多くの人が海外に出るのであまり行きたくない。できればその前に休みをもらって、クリスマスまで海外に行き、31日は東京で友だちと年越しするのが理想ですね。

——お仕事以外で熱中していることはありますか?

今は“韓流”。あらゆるチャンネルやアプリに登録していています。いわゆる大人買いです(笑)。

——忙しいなか、観賞する時間をつくるのも大変なのでは?

睡眠時間を削ります。一昨日は韓流ドラマを見過ぎて2時間しか寝ていません(笑)。もちろん翌日の仕事に影響を及ぼさないように日々調整しています。明日は何時から何時まで収録だから、今日は3時間観られるかな、とか。どんな予定も、緻密(ちみつ)な計算をして、空いたところにポンポン入れていきます。こことここの合間が1時間あるから、ネイルケアを予約しちゃおう、というように。詰め過ぎが2週間以上続いて、体力的に限界が来たら、予定はゼロにして何もしない。電話さえ出ません(笑)。

——体力に合わせ、緩急つけながらスケジュールを組んでいくわけですね。

そうですね。70歳になっても歩けるように足腰は鍛えなくちゃいけないのでジム通いは死守(笑)。そのほか、韓流観賞や友だちとの飲食など、日々変わる優先順位を明確にしておき、スケジュールを決めています。同じような日程で過ごすことは1日もないですね。

——「やりたいことができない!」というもどかしさとは無縁ですね。

体を壊さないことが前提ですね。風邪一つひいたらすべてが狂うので、健康管理が大事なんです。

——このたび、ロッテ「ラミー」「バッカス」の新CMにご出演いただきました。撮影のご感想をお聞かせください。

美術が素晴らしくて感動しました。今時、あんなにしっかりセットを作ったり小物を集めたりして雰囲気を出してくれるコマーシャルは少ないと思います。20代のとき、ダウンタウンさんの番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』に出演させていただきましたが、当時はバブル全盛期。コントで使用する背景から小道具まで本物が用意されていましたが、今は不可能ですよね。それだけに今回のCMでは驚きました。素晴らしいです。

——CMのコンセプトは「大人チャーミング」ですが、YOUさんが思う大人のかわいさとは?

先ほどお話しした、「ごめんなさい」「間違っていました」「知らないんです」と言えることじゃないでしょうか。「地位ある大人は簡単に謝るべきではない」なんて考えは捨てたほうがいい(笑)。 “チャーミング”なのだから、大人の男性だって、「あはは、間違えたね、やっちゃったね」と、たまに転んでいるくらいでいいんです。

——最近、うれしかった出来事はありますか?

夢中になれる“韓流スター”を見つけられたこと、ですね。お気に入りは、俳優のパク・ソジュンくんとチョン・ヘインくん。かわいいんです(笑)。これまで、“顔見ているだけで幸せ”って思うようなアイドルやアイコンに出会ったことがなくて。小学校のとき、イギリス出身のロックバンド“ベイ・シティ・ローラーズ”が来日して、帝国ホテルまで会いに行き、大騒ぎしたのが最後。この年になって自分にとってのアイドルに出会えたのがうれしかったですね。コロナ禍の今、私はなかなか行けないのですが、友だちが新大久保でグッズを買ってきてくれるんです。韓流仲間、じわじわ増えています(笑)。

——最後に、YOUさんの好きな言葉を教えてください。

「あきらめない」という意味も込めた、「どうにかしよう」ですね。以前は、自分に向けて「どうにかなる」という言葉を使っていましたが、私はもう経験も積んで何かとどうにかできちゃうので(笑)、まわりへのメッセージとしての意味合いも含めて「どうにかしよう」に変えました。どうにもならなくて悩んでいる若い人に向けて言いたいですね。
どうにかしよう!

YOU(ゆう)
YOU(ゆう)
東京都出身。女優、タレント、歌手。18歳からモデルとして活動を始め、88年にバンド「FAIRCHILD」を結成。ボーカルと作詞を担当。91年『ダウンタウンのごっつええ感じ』のレギュラーとなり、個性的なキャラクターで人気を獲得。その後はバラエティー番組をはじめテレビ、CM、数々の映画に出演。2004年公開の出演作『誰も知らない』はカンヌ国際映画祭に出品され、自身はキネマ旬報助演女優賞を受賞。著書に『YOUのこれからこれから 人生編』(宝島社)などがある。
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