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アン・ミカ

私、今や「おしゃべりな関西弁の通販のタレントさん」のイメージが強いかもしれませんが、実はファッションモデルです。笑。

15歳からモデルを始め、はや32年。20歳からCMやコレクションのオーディションを受けるため大阪から東京に頻繁に通っていました。

その際、決まって事務所から厳しく言われていたことは「大阪弁丸出しはNG! モデルはあらゆる商品のイメージに合わないといけないもの。大阪弁はキャラクターに色が付いてしまうの。標準語を心がけて!」。長年の間、大阪では“コテコテ関西弁”、東京では〝丁寧な標準語〟に切り替えて、仕事をしていました。

しかし転機が訪れます。38歳で東京に出てくることに。地の性格はコテコテの関西弁、でも、ここは東京!! 悩みながらも、標準語のまま活動することにしました。けれど、不思議なもので、無理して話す言葉には感情が乗りにくく、そして伝わりにくいんですね

関西弁で現場の空気が一変

東京に来て一年目、有り難いことに朝の情報番組でコメンテーターの仕事を頂きました。

とあるタレントさんのスキャンダルに対して、スタジオの皆さんが一斉にたたくことに違和感を覚えた私は「男女のことは本人たちにしか分からない。人に指をさし過ぎです。言い過ぎでは?」と発言しました。すると、途端にスタジオがシーン……。凍りついたような空気に。

無理に標準語で想いを伝えようとして、真意よりも冷たく、共演者を断罪したように聞こえてしまったみたい。〝この空気をどうにかしなくては!〟と思った私は、同じ意見を自分らしい言葉で言い直そうと決意。

「人にさす指は自分にも向けて学べ! と親から教わりましたよー、大人の恋愛やし、そないにみんなしてヤイヤイ言わんでもええんちゃいます?」

すると、同じ意味合いにもかかわらず、聞き慣れない私の関西弁を聞いて、「いやぁ、コテコテの関西弁が飛び出してビックリしました! まぁでもおっしゃる通りですね」と皆さん大爆笑!!

この時、初めて自分の本心を自分らしい関西弁で伝えることができてスッキリしたのと同時に「自分らしい言葉には言霊が宿り想いを乗せられる。自分らしい言葉の方が伝わるんだ」と実感しました。

その後、周囲のススメもあり、今のコテコテ関西弁で伸びやかに表現する方向にチェンジ! 通販でも、心から楽しみながら、モノの良さを伝えることができています。

自分が自分らしくないと、伝えたいことも伝わらない。そのヒントは案外、身近にあるのかもしれませんね。

アン ミカ
アン ミカ
1972年、韓国生まれ。大阪育ち。93年にパリコレ初参加。それ以降、テレビやラジオ出演などタレントとしても活動。日本化粧品検定一級、漢方養生指導士、NARDアロマアドバイザーなど多くの資格を生かし、自身のブランドで、化粧品プロデュースやファッションデザイナーとして商品開発を手がけている。近著に『アンミカ流 ポジティブ脳の作り方 365日毎日幸せに過ごすために』(宝島社)がある。

季刊広報誌「Shall we Lotte」第42号(2018年冬)より転載
「失敗は成功の素」をテーマに、ご自身の経験から、明るい失敗やほろ苦い失敗をどう成功へ導いたかを、読む人がちょっと元気をもらえるようなエッセイにしていただきました。

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