炭水化物を多く含んでいる食べ物は?摂取基準や健康的な食べ方も紹介

「最近太り気味なのは炭水化物を摂り過ぎたせいかも……」
「炭水化物の量ってどのくらいがちょうど良いんだろう?」

炭水化物についてこのような心配や疑問を持っている方もいるでしょう。

確かに炭水化物は摂り過ぎると肥満の原因になりますが、エネルギー源となる重要な栄養素でもあります。

この記事では、炭水化物が多く含まれている食べ物や摂取基準、食べ方のポイントについて詳しく解説していきます。

1.炭水化物とは

炭水化物はエネルギー源となる栄養素の一つで、米やパンなどの主食に多く含まれています。

多くの方にとって日頃から馴染み深いものですよね。

しかし、「炭水化物がどんな栄養素なのか」は意外と知られていないかもしれません。

炭水化物とは「単糖」あるいは単糖を最小単位とする化合物のことです。

「これだけ聞いてもピンと来ないなあ……」

と思ってしまいますよね。

生理学的に炭水化物は消化・吸収されエネルギー源となる「糖質」と、ヒトの消化酵素では消化できない「食物繊維」に大別できます

「糖質」「食物繊維」という言葉は普段からよく聞くことも多いですよね。

炭水化物から摂取できるカロリーはほとんどが糖質由来のもので、食物繊維から得られるカロリーはわずかです。

炭水化物をはじめとしたエネルギー源となる栄養素を摂り過ぎると、不要な分が体脂肪として蓄積されるため肥満の原因となります。

[メモ]
体のエネルギーとなるのは炭水化物・たんぱく質・脂質の3種類の栄養素であり、これらはまとめて「エネルギー産生栄養素」と呼ばれています。

しかし、脳など一部の組織は糖質を分解して作られるブドウ糖を主なエネルギー源としているため、糖質の摂取量を減らし過ぎると注意散漫になったり疲れやすくなったりするので注意が必要です。

またエネルギー源にはならない食物繊維も不足するとさまざまな生活習慣病を発症しやすくなることが報告されています。

そのため炭水化物は適切な量を摂取することが健康にとって重要だといえるのですね。

2.炭水化物を多く含む食べ物

炭水化物というと米やパン、パスタなどに含まれているという印象をお持ちの方も多くいらっしゃるでしょう。

実際、主食となる食品には多くの炭水化物が含まれています

【炭水化物を多く含む穀類と可食部100g当たりの炭水化物・食物繊維の含有量】
食品名 加工状態など 炭水化物の含有量 食物繊維の含有量
コーンフレーク 83.6g

2.4g
フランスパン 57.5g

2.7g
ロールパン 48.6g

2.0g
食パン 46.4g

4.2g
クロワッサン 43.9g

1.8g
ごはん(精白米、うるち米) 炊飯 37.1g

1.5g
マカロニ・スパゲッティ ゆで 32.2g 3.0g
中華めん ゆで 29.2g

2.8g
そば ゆで 26.0g

2.9g
うどん ゆで 21.6g

1.3g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成
[メモ]
参考として炭水化物の含有量とともに食物繊維の含有量を示していますが、「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」には糖質の含有量が提示されていないため、本記事においても糖質の含有量は記載していません。

また、炭水化物はいも類や果実類などにも多く含まれています。

食品に含まれる成分の量をまとめた文部科学省の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」の分類「いも及びでん粉類」に含まれる食品のなかで、炭水化物の含有量が多いのは以下のようなものです。

でん粉類とは
原料となる植物の種や実、幹、塊茎や塊根に含まれているでん粉を精製したもののことです。でん粉は植物が光合成によって生産する炭水化物の一種で、ブドウ糖が結合してできています。
【炭水化物を多く含むいも及びでん粉類と可食部100g当たりの炭水化物・食物繊維の含有量】
食品名 加工状態など 炭水化物の含有量 食物繊維の含有量
くずきり ゆで 33.3g 0.8g
さつまいも(皮むき) 31.9g 2.2g
緑豆はるさめ ゆで 20.6g 1.5g
生じゃがいも 17.3g 8.9g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

またヘルシーなイメージを持たれることも多い果実類も、炭水化物を多く含んでいます。

【炭水化物を多く含む果実類と可食部100g当たりの炭水化物・食物繊維の含有量】
食品名 加工状態など 炭水化物の含有量 食物繊維の含有量
ドライマンゴー 84.9g 6.4g
干しぶどう 80.3g 4.1g
干しがき 71.3g 14.0g
バナナ 22.5g 1.1g
りんご(皮つき) 16.2g 1.9g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

特にドライマンゴーなど乾燥させた食品は水分が抜けているため、炭水化物の含有量も多くなっていることがわかりますね。

さらに調味料として使われる砂糖や甘味類は、炭水化物のうちのショ糖が主な成分であるため、炭水化物含有量もほかの食品と比べて多いといえます。

【炭水化物を多く含む砂糖及び甘味類と可食部100g当たりの炭水化物・食物繊維の含有量】
食品名 加工状態など 炭水化物の含有量 食物繊維の含有量
角砂糖 100.0g 0g
上白糖 99.3g 0g
三温糖 99.0g 0g
はちみつ 81.9g 0g
メープルシロップ 66.3g 0g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

砂糖や甘味類は1回当たりの使用量は多くないものの、飲み物や食事などに含まれているため知らず知らずのうちに摂取している場合もあります。

少しのつもりでも1日全体で見ると摂取量が増えてしまうこともあるので、注意するようにしましょう。

3.炭水化物の食事摂取基準

実際に炭水化物をどれくらい摂れば良いのかというのが気になる点ですよね。

厚生労働省は炭水化物の摂取目安について、1日の摂取エネルギー全体の50〜65%としています*1。

ただし通常の食生活で炭水化物が不足することは考えにくく、実際の摂取状況をみても総摂取カロリーのうち炭水化物からの摂取が占める割合は20歳以上の男性で平均約52%、女性で平均約53%です*2。

同じくエネルギー源となる栄養素であるたんぱく質・脂質とのバランスを見ながら、摂り過ぎないように注意しましょう

「バランスっていわれても具体的な量が分からないとなあ……」

と困ってしまいますよね。

食事の栄養バランスを整える際には、農林水産省と厚生労働省が共同で作成した「食事バランスガイド」が便利です。

炭水化物を多く含む主食や主菜、副菜などの目安量がわかりやすく提示されているので、食事を準備するときの参考になりますよ。

ちなみに食物繊維は炭水化物の一部ではあるものの、不足によって生活習慣病の発病リスクが高まるといわれていることから別に基準が設けられています。

【食物繊維の1日当たりの摂取目標量】
年齢 男性 女性
18〜64歳 21g以上 18g以上
65歳以上 20g以上 17g以上
妊婦・授乳婦 18g以上
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

食物繊維についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、気になる方は参考にしてくださいね。

4.健康的な食事を摂るための工夫

炭水化物は量だけでなく、食べる方法にも気を配るとさらに健康的に摂取することができるといえます。

ここからは、健康的な食生活を送るための4つの工夫を説明していきましょう。

【健康的な食事を摂るための工夫】

4-1.食物繊維をしっかり摂る

炭水化物を摂り過ぎると、エネルギーを消費しきれず肥満の原因になってしまいます。

それを避けるためには、食物繊維を意識してしっかり摂ることが重要です。

食物繊維には血糖値が急に上がるのを抑えるはたらきがあるほか、多く摂取するとメタボリックシンドロームや糖尿病の発症率を低くするといわれています。

[メモ]
メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の蓄積と高血圧や高血糖、脂質代謝の異常が重なって、心臓疾患や脳卒中を起こしやすい状態のことをいいます。ウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上かつ血圧、血糖、脂質のうち2つ以上が基準から外れた場合に診断されます。

血液中のコレステロール値や高血圧、便秘の改善にも効果があることが示唆されており、食物繊維は健康を維持する上で重要な栄養素だといえますね。

野菜やきのこ類、豆類、こんにゃくなど食物繊維を多く含む食品を取り入れていきましょう。

白米を雑穀米や玄米にしたり、もち麦を混ぜてみたり、食パンをライ麦パンに変えたりするのもおすすめですよ。

4-2.よく噛んで食べる

時間をかけてよく噛んで食べると、食べ過ぎ防止につながります。

噛むことによって分泌される「神経ヒスタミン」という物質が満腹中枢を刺激して満腹感を得やすくなるためです。

それだけでなく交感神経の中枢部分が刺激され脂肪の燃焼も促進されます。

毎日の食事で噛むことを意識するだけでも、健康に良い効果が期待できそうですね。

野菜や海藻などの食物繊維の多い食品は、食べごたえがあるのでよく噛むことにつながりますよ。

4-3.食事の時間に気をつける

「夜遅い時間にごはんを食べると太るんでしょ?」

と夜遅くに食事を摂ると良くないというイメージをお持ちの方も多いでしょう。

実際に夜22時以降になると、「BMAL1(ビーマルワン)」という脂肪を蓄積させるはたらきのあるたんぱく質が多く分泌されます。

[メモ]
昼食と夕食の間隔が開くと空腹感から早食いになって夕食を食べ過ぎたり、消化がされにくい寝る直前に夕食を食べることで朝食が食べられず、結果昼食を食べ過ぎたりしてしまうことも肥満を招いてしまいます。

そのため、夜遅い時間に食事を摂ると太りやすくなるのですね。

仕事の都合などでどうしても夕食が遅い時間になってしまう場合は、早い時間に軽食を取るなどして、夕食の量を減らす工夫ができるといいでしょう。

食事の内容や食べ方はもちろん、何時に食事を摂るかということも重要なポイントとなります。

4-4.低GI食品を活用する

食品を選ぶときには、GIが低いかどうかに注目するのもポイントです。

GI(Glycemic Index)とは
食後血糖値の上昇度を表す指数のことをいいます。この値が高い食品ほど血糖値が急上昇しやすくなります。

 
食後の血糖値上昇が緩やかである低GI食品は、肥満の予防や改善に役立つのではないかと注目を集めています。

「GI値っていっても、何を基準に選んだら良いの?」

と疑問に感じる方もいるかと思います。

食物繊維が多く含まれている食品はGI値が低い傾向にあるので、GI値が分からない場合には食物繊維の含有量を一つの目安とするのが良いでしょう。

精製されていない穀物類やでん粉質が少ない野菜もおすすめです。

果物であればリンゴやみかん、グレープフルーツ、いちごなど生の果物はGI値が低い傾向にありますが、加工されたジャムや缶詰はGI値が高いので注意が必要です。

牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品もGI値が低い食品としてあげられます。

GI値が高いものは米やパン、餅など主食となる食品に多く、すべてをGI値が低い食品に置き換えることは現実的には難しいかもしれません。

毎日の食事の中で1食だけ玄米やそばに変えてみるなど、無理のない範囲で取り入れてみてはいかがでしょうか。

5.まとめ

炭水化物は摂り過ぎると肥満のリスクを高めてしまう物質の一つですが、同時に私たちが生きていく上で重要なエネルギー源でもあります。

太ることを気にして減らし過ぎると疲れやすくなったり注意力が欠けたりしてしまうので、適切な量を摂取するように心がけましょう。

炭水化物は米やパンなどの主食をはじめ、いも類や果実類、砂糖・甘味類などにも多く含まれています。

健康的に炭水化物を摂取するためには食物繊維が多い食品を選んだり、よく噛んで食べたりするのがおすすめです。

また体脂肪をできるだけためないために夜遅い時間の食事をできる限り避けるようにしましょう。

食べ方や食べる時間なども意識しながら、上手に炭水化物を摂るよう意識してみてくださいね。