ビタミンB6を豊富に含む食べ物は?効果や食事摂取基準も解説

ビタミンB6は水溶性ビタミンの一種でビタミンB群に含まれます。

ビタミンB6は身体の中でさまざまなはたらきを果たしており、特にたんぱく質を構成するアミノ酸の代謝には欠かせません

不足すると皮膚炎などを引き起こすため、健康や美容のためには積極的に摂取しておきたい栄養素です。

この記事ではビタミンB6のはたらきからビタミンB6を豊富に含む食品、どれくらい摂取すれば良いのかといったことまで詳しくご説明します。

1.ビタミンB6とは

ビタミンB6はビタミンB群の一つで、水に溶けやすい水溶性のビタミンです。

ビタミンB6は約100種類もの「酵素」のはたらきを助ける「補酵素」として作用します。

酵素とは
摂取した食べ物を消化・吸収するなど、体の中で起こるさまざまな化学反応を引き起こすために必須のたんぱく質でできた物質のことです。それぞれに特異なはたらきがあり、ヒトの体内には約5,000種類の酵素があるといわれています。

酵素の一部は補酵素がなければ十分に作用しないため、補酵素としてはたらくビタミンB6は身体のなかのさまざまな化学反応を支える物質だといえるのです。

特にたんぱく質の構成要素であるアミノ酸の代謝を助ける重要な役割を果たしています

そのため、たんぱく質の摂取量が増えるとそれに伴ってビタミンB6の必要量も増加します。

またビタミンB6の含有量が一定の基準を満たす食品は「たんぱく質からのエネルギーの産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素」が含まれているとして栄養成分の機能を表示することができます

[メモ]
ビタミンB群にはビタミンB6のほか、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンがあります。ビタミンB群について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

2.ビタミンB6を豊富に含む食べ物

「ビタミンB6はどんな食べ物から摂取できるの?」

というのが気になるところですよね。

ビタミンB6は野菜などの植物性食品からも肉などの動物性食品からも摂取できる栄養素です。

ここではビタミンB6を効率的に摂取できる食品を食品群別にご紹介しましょう。

[メモ]
ビタミンB6は食品をゆでたり煮たりすると茹で汁や煮汁に流出してしまいます。そのため、茹で汁や煮汁も一緒に食べられるように調理法を工夫するのがおすすめですよ。

2-1.ビタミンB6を豊富に含む植物性食品

ビタミンB6は以下のようにさまざまな植物性食品に含まれています。

【ビタミンB6を豊富に含む植物性食品と100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
にんにく 1.53mg
ピスタチオ いり、味付け 1.22mg
ドライバナナ 乾燥 1.04mg
とうがらし 1.00mg
ドライトマト 乾燥 0.95mg
ごま いり 0.64mg
焼きのり 0.59mg
黄大豆(中国産) 乾燥 0.59mg
玄米 0.45mg
ししとう 0.39mg
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

にんにくは非常に多くのビタミンB6を含んでいますが、1食当たりの摂取量を考えると摂取源としてはそこまで効率的とはいえないかもしれません。

一つの摂取源に頼らず、さまざまな食品からバランス良く摂取したいですね。

2-2.ビタミンB6を豊富に含む動物性食品

ビタミンB6は赤身の魚や肉などの動物性食品からも摂取することができます。

【ビタミンB6を豊富に含む動物性食品と100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
ミナミマグロ赤身 1.08mg
ビンチョウマグロ 0.94mg
牛レバー 0.89mg
ビーフジャーキー 0.85mg
かつお 0.76mg
鶏ささみ 0.66mg
鶏レバー 0.65mg
鶏むね肉(皮なし) 0.64mg
サケ(シロサケ) 0.64mg
豚レバー 0.57mg
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

1食当たりの摂取量を考慮すると、植物性食品よりも動物性食品の方が効率的にビタミンB6を摂取できるといえるかもしれませんね。

3.ビタミンB6の不足や過剰摂取による影響

栄養素が不足すると体に悪い影響が生じることは皆さんなんとなくご存じですよね。

しかし多く摂れば良いというものでもなく、栄養素によっては過剰摂取によって何らかの症状が現れることもあります

それでは、ビタミンB6が不足したり、反対に摂りすぎたりした場合にはどうなるのでしょうか?

ここからはビタミンB6の不足や過剰摂取が体に与える影響についてご説明しましょう。

3-1.ビタミンB6の不足による影響

ビタミンを十分に摂れていないと肌が荒れてしまうとイメージする方も多いのではないでしょうか。

ビタミンB6が不足すると、肌荒れをはじめとした皮膚炎、口角炎、舌炎などの症状が現れます。

また、免疫力の低下や、貧血や聴覚過敏などの悪影響が生じる場合もあるため、健康のためにはしっかり摂っておきたい栄養素ですね。

ただしビタミンB6が単独で不足状態に陥ることはあまりありません

ビタミンB6不足は他のビタミン不足と同時に起こるといわれているため、普段からバランスの取れた食生活を心がけましょう。

3-2.ビタミンB6の過剰摂取による影響

水溶性ビタミンの多くはたくさん摂取しても尿中に排出されるため、食事から摂りすぎて体を壊す心配はないものがほとんどです。

しかし、ビタミンB6を過剰に摂取すると体に悪影響があることが分かっています。

具体的には神経に障害が生じたり、骨が痛んだり、筋肉が弱くなってしまったりするのです。

また男性の場合は精巣が萎縮したり精子の数が減ったりしてしまう可能性もあります。

ただし過剰摂取による影響は1日当たり数gの摂取を数ヶ月程度続けたときに生じるものであるため、通常の食生活で体に変調をきたすことはないと考えられます。

あまり気にしすぎる必要はないのでご安心くださいね。

4.ビタミンB6の食事摂取基準と摂取状況

「ビタミンB6はどれくらい摂取するべきなんだろう?」
「普段の食生活でビタミンB6は十分に摂取できているのかな?」

このように気になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ここでは、ビタミンB6の摂取量の目安と、日本人の平均摂取量をご紹介します。

4-1.ビタミンB6の食事摂取基準

厚生労働省は各栄養素の1日の摂取量の目安となる「食事摂取基準」を発表しています。

ビタミンB6の食事摂取基準を確認してみましょう。

【ビタミンB6の1日当たりの食事摂取基準】
※横にスクロールできます
性別 男性 女性
年齢 推定平均必要量 推奨量 耐容上限量 推定平均必要量 推奨量 耐容上限量
18〜29歳 1.1mg 1.4mg 55mg 1.0mg 1.1mg 45mg
30〜49歳 1.1mg 1.4mg 60mg 1.0mg 1.1mg 45mg
50〜64歳 1.1mg 1.4mg 55mg 1.0mg 1.1mg 45mg
65歳以上 1.1mg 1.4mg 50mg 1.0mg 1.1mg 40mg
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成
[メモ]
推定平均必要量は半数以上の人が必要な量を満たすとされる量で、推奨量はほとんどの人が必要な量を満たすことができる量です。また、耐容上限量は過剰摂取による健康への悪影響が生じないように定められたものです。食事からここまで多量のビタミンB6を摂取することはまずないと考えられますが、サプリメントなどから摂りすぎてしまわないよう注意しましょう。

また妊婦・授乳婦の方には年代別に定められた推定平均必要量・推奨量に以下の量を加えた食事摂取基準が設けられています。

【妊婦・授乳婦の付加量】
推定平均必要量 推奨量
妊婦 +0.2mg +0.2g
授乳婦 +0.3mg +0.3mg
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

4-2.ビタミンB6の摂取状況

平均的な食生活でビタミンB6が十分に摂れているのか気になっている方も多いでしょう。

厚生労働省は「国民健康・栄養調査」という調査各栄養素の1日当たりの平均摂取量も公表しています。

それでは、早速日本人のビタミンB6の平均摂取量を見てみましょう。

【ビタミンB6の1日当たりの平均摂取量】
年齢 男性 女性
20〜29歳 1.22mg 0.96mg
30〜39歳 1.18mg 1.00mg
40〜49歳 1.15mg 0.98mg
50〜59歳 1.30mg 1.09mg
60〜69歳 1.40mg 1.21mg
70歳以上 1.34mg 1.18mg
厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査」をもとに執筆者作成

男女とも多くの年代においてビタミンB6の摂取量が食事摂取基準の推奨量を下回っている傾向にあるといえますね。

また、推定平均必要量にも達していない年代もあります。

この記事をお読みになっているあなたも十分な量のビタミンB6を摂取できていないかもしれません。

食事にビタミンB6を含む食べ物を積極的に取り入れたいですね。

5.まとめ

ビタミンB6はビタミンB群の一つで、100種類以上の酵素のはたらきをサポートする栄養素です。

特にたんぱく質を構成するアミノ酸の代謝において重要な役割を果たしており、たんぱく質の摂取量に伴ってビタミンB6の必要量も増加します。

ビタミンB6が不足すると肌にトラブルが生じるほか、免疫力の低下など体にさまざまな不調をきたす可能性があります。

日本人の男女別・年代別平均摂取量を確認すると十分な量を摂れていない層がほとんどのため、適宜不足しないよう食事からの摂取を心がけることが必要です。

赤身魚、肉などの動物性食品からであればビタミンB6を比較的摂取しやすいといえるでしょう

積極的に食生活に取り入れるよう心がけてみてくださいね。