脂質の少ない食べ物とは?脂質の摂取や吸収を抑えるための工夫!

理想の体型に近づきたい、健康的な食生活を送りたいといった理由から、脂質の摂取量を減らしたいと考えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

脂質はヒトの体がエネルギーとすることができる三つの栄養素のうちの一つです。

一口に脂質といっても実はさまざまな種類があり、体に与える影響も異なります。

この記事では脂質とはそもそもどのようなものかということから、代表的な食品の脂質含有量、脂質を摂り過ぎないための工夫までを解説します。

1.そもそも脂質とは

脂質といえばカロリーが高く体に悪いイメージをお持ちの方も多くいらっしゃるかもしれません。

しかし脂質のなかには体に欠かせない役割を持っているものもあり、非常に重要な栄養素だということができます。

そこで、まずは脂質とは何かについてご説明しましょう。

1-1.脂質はエネルギー源の一つ

「脂質が多い食品はカロリーが高い」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

確かに、脂質が多く含まれていればいるほど食品のカロリーは高くなるということができます。

カロリーとは「その食べ物や飲み物がどれだけ体のエネルギーになるか」を表す「エネルギー量の単位」です。

脂質は炭水化物やたんぱく質とともに体の重要なエネルギー源となる栄養素で、「エネルギー産生栄養素」と呼ばれています。

飲食物のカロリーはエネルギー産生栄養素をどれだけ含んでいるかによって決まるということができます。

「じゃあ炭水化物やたんぱく質も脂質と同じくらいカロリーがあるのかな?」

と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれませんね。

実は脂質は同じエネルギー源である炭水化物・たんぱく質に比べてカロリーが高いのです。

【1g当たりのエネルギー産生栄養素のカロリー】
栄養素 カロリー
脂質 9kcal
炭水化物 4kcal
たんぱく質 4kcal
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

1g当たりのカロリーを比較すると、脂質は炭水化物やたんぱく質の2倍以上のカロリーがあることが分かります。

そのため、脂質が多く含まれている食べ物はカロリーが高くなる傾向にあるのですね。

エネルギーとして使いきれなかった脂質は「中性脂肪」として体内に蓄えられるため、多く摂り過ぎると肥満や生活習慣病の原因となってしまいます

中性脂肪とは
食品中の脂質や体脂肪の大部分を占める物質のことです。単に「脂肪」ともいい、脂肪酸などから構成されています。血液中の中性脂肪が一定の値を超えると、「高トリグリセライド血症」とされます。
[メモ]
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では1歳以上の男女に対し、脂質から摂取するカロリーを1日の必要カロリーの20〜30%にするよう推奨しています*1。

1-2.種類によって体への影響は異なる

実は一口に「脂質」といっても、さまざまな種類があるのをご存じでしょうか。

カロリーが高いからといって一概に体に悪いというわけではなく、種類によって体に与える影響も異なるのです。

脂質の主要な構成要素は、「脂肪酸」といいます。

脂肪酸は分子の構造の違いによって、大きく「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられます。

飽和脂肪酸は主に肉などの動物性食品、不飽和脂肪酸は植物や魚などに含まれています

不飽和脂肪酸は「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分けられ、多価不飽和脂肪酸はさらに「n-6系脂肪酸」と「n-3系脂肪酸」に分けられます。

飽和脂肪酸は体内で合成することができます

また悪玉コレステロールの血中濃度が高くなる「高LDLコレステロール血症」の主なリスク要因とされているほか、心筋梗塞などの循環器疾患の危険因子としても知られています。

コレステロールとは
人間の体内にある脂質の一つで、血中に溶け込んでいるものは生活習慣病の因子とされています。動脈硬化を起こすなど体に悪いはたらきをする「悪玉コレステロール(LDLコレステロール)」と余分なコレステロールを回収して動脈硬化を抑えるはたらきのある「善玉コレステロール(HDLコレステロール)」があります。

そのため摂り過ぎは禁物といえる栄養素です。

一方、不飽和脂肪酸のうち多価不飽和脂肪酸の「n-6系脂肪酸」と「n-3系脂肪酸」は体内で合成できないため食品からの摂取が必須です。

n-3系脂肪酸の仲間にはα-リノレン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、IPA(イコサペンタエン酸)といった物質が含まれます。

また、n-6系脂肪酸にはリノール酸などがあります。

DHAなどは「体に良い物質」として耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

脂質というとコレステロールが増えるというイメージをお持ちの方も多くいらっしゃるかもしれませんが、これらの物質には血圧を下げる、悪玉コレステロールを減らす、動脈硬化や血栓を防ぐといったさまざまな体に良いはたらきがあります。

ただし不飽和脂肪酸が全て体に有用かといえば残念ながらそうではありません

不飽和脂肪酸は構造の違いによって「シス型」と「トランス型」の2種類に分けられます。

トランス脂肪酸を多く摂っていると狭心症や急性心筋梗塞などの冠動脈疾患発症のリスクを高める*2ことが示されているのです。

トランス脂肪酸には牛などの反芻動物の胃で微生物に生成され乳製品や肉に含まれているものと、工業的に油脂を加工・精製する過程で発生し食品に含まれているものがあります。

健康への影響における両者の違いはまだはっきりとはしていないものの、工業的につくられたトランス脂肪酸に限り冠動脈疾患発症に影響があるという報告*2もなされています。

また脂質にはほかに「コレステロール」なども含まれます。

コレステロールとは
ヒトの身体において細胞膜・各種のホルモン・胆汁酸を作る材料となる脂質の一種です。体内で良いはたらきをするHDLコレステロールと悪いはたらきをするLDLコレステロールに大別されます。これらのバランスが崩れて血液中のコレステロールが過剰になると、「脂質異常症」となります。

一口に脂質といってもさまざまなものがあるのですね。

2.代表的な食品に含まれる脂質の量とカロリー

「脂質を避けたいときには何を食べたら良いんだろう?」

というのが気になるところですよね。

ここでは、代表的な食品に含まれる脂質の種類や含有量をご紹介しましょう。

カロリーも合わせて掲載しているのでご覧くださいね。

[参考]
より詳細なデータは文部科学省「食品成分データベース」で確認できます。

2-1.肉類

同じ動物から取れた肉でも、部位によって脂質の含有量は大きく異なります。

摂取カロリーを抑えたいときなどは脂質の少ない部位を選ぶのが良いでしょう。

一般的によく食べられている牛・豚・鶏の肉の部位別の脂質含有量をカロリーとともにご紹介します。

2-1-1.牛肉

まずは牛肉の部位別カロリーや脂質含有量を確認してみましょう。

【可食部100g当たりの牛肉の部位別カロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸
ばら肉 371kcal 32.9g 13.05g 16.05g 0.54g
タン 356kcal 31.8g 11.19g 15.98g 1.25g
ハラミ 321kcal 27.3g 9.95g 13.86g 0.97g
サーロイン 298kcal 23.7g 10.85g 9.24g 0.43g
肩ロース 240kcal 17.4g 7.54g 7.10g 0.48g
ランプ 234kcal 16.4g 6.47g 7.20g 0.37g
リブロース 231kcal 15.4g 7.15g 6.00g 0.39g
外もも肉 215kcal 14.3g 5.51g 6.32g 0.29g
肩肉 180kcal 10.6g 4.35g 4.20g 0.30g
もも肉 165kcal 8.6g 3.22g 3.69g 0.25g
ハツ 142kcal 7.6g 3.11g 2.49g 0.33g
ヒレ肉 133kcal 4.8g 1.99g 1.79g 0.22g
レバー 132kcal 3.7g 0.93g 0.48g 0.64g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成
[メモ]
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」には一般的に流通している「和牛肉」、「乳用肥育牛肉」、「交雑牛肉」、「輸入牛肉」の4種類のデータが掲載されていますが、ここで紹介しているものはタン・ハツ・レバー・ハラミといった「副生物」を除き国内シェアの65.1%を占める輸入牛肉*3の生で、脂身を除去していない状態のものです。副生物は品種を特定して流通されていないケースが一般的で、引用しているデータに用いられた品種も不明です。

ひと口に牛肉といっても、部位によってカロリーや脂質の含有量に大きな差があることが分かりますね。

使用する部位を工夫したり、脂身を取り除いたりすることでカロリーや脂質の摂取を抑えることができます。

2-1-2.豚肉

続いて豚肉のカロリーや脂質についてみてみましょう。

【可食部100g当たりの豚肉の部位別カロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸
ばら肉 395kcal 35.4g 14.60g 15.26g 3.50g
ロース 263kcal 19.2g 7.84g 7.68g 2.21g
肩ロース 253kcal 19.2g 7.26g 8.17g 2.10g
外もも肉 235kcal 16.5g 5.80g 7.40g 2.00g
タン 221kcal 16.3g 5.79g 7.43g 1.38g
肩肉 216kcal 14.6g 5.25g 6.50g 1.65g
もも肉 183kcal 10.2g 3.59g 4.24g 1.24g
ハツ 135kcal 7.0g 2.10g 1.74g 0.98g
ヒレ 130kcal 10.2g 1.29g 1.38g 0.45g
レバー 128kcal 3.40g 0.78g 0.24g 0.76g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成
[メモ]
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」に掲載されているうち、一般に広く流通している「大型種」の生肉の、脂身を除去していない状態のデータを紹介しています。

豚肉は牛肉に比べ脂質の含有量が少なく、カロリーが低い傾向にあることが分かります。

カロリーや脂質を抑えたい場合は牛肉ではなく豚肉を選ぶのも良いかもしれませんね。

2-1-3.鶏肉

鶏肉のカロリーや脂質も気になりますよね。

鶏肉は牛肉や豚肉に比べ脂質の含有量が少なくカロリーも低い傾向にあります。

ただし、皮の部分はカロリーが高めとなっています。

【可食部100g当たりの鶏肉の部位別カロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸

(もも)
513kcal 51.6g 16.30g 25.23g 6.54g

(むね)
492kcal 48.1g 14.85g 23.50g 6.31g
手羽先
(皮付き)
226kcal 16.2g 4.40g 8.32g 2.33g
手羽
(皮付き)
210kcal 14.3g 3.98g 7.13g 1.99g
ハツ 207kcal 15.5g 3.86g 6.46g 2.27g
もも
(皮付き)
204kcal 14.2g 4.37g 6.71g 1.85g
手羽元
(皮付き)
197kcal 12.8g 3.64g 6.18g 1.73g
むね肉
(皮付き)
145kcal 5.9g 1.53g 2.67g 1.03g
もも肉
(皮なし)
127kcal 5.0g 1.38g 2.06g 0.71g
むね肉
(皮なし)
116kcal 1.9g 0.45g 0.74g 0.37g
レバー 111kcal 3.1g 0.72g 0.44g 0.63g
ささ身 109kcal 0.8g 0.17g 0.22g 0.13g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成
[メモ]
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」に掲載されている「若鶏肉」および「成鶏」のうち、一般的に流通している「若鶏肉(ブロイラー)」の生の状態のデータをご紹介しています。

鶏肉の脂質は皮の部分に多く含まれており、皮の部分は脂質が多く、カロリーが高い傾向にあります。

もも肉やむね肉で皮が付いているものの場合、皮を取り除くことで脂質の摂取量を抑えることができますよ。

2-2.魚介類

続いて代表的な魚介類に含まれる脂質とカロリーをご紹介しましょう。

肉類と異なり、魚介類は多価不飽和脂肪酸を多く含んでいる傾向にあります。

2-2-1.まぐろ

脂質の多い魚としては、トロの取れるまぐろが思い浮かぶかもしれませんね。

まぐろの仲間にはさまざまな種類があり、脂質の含有量などは種類によって異なります。

また部位によっても脂質の含有量が変わることは想像に難くありませんよね。

まずはまぐろ類の部位別脂質含有量やカロリーを確認してみましょう。

【可食部100g当たりのまぐろ類の部位別カロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸
みなみまぐろ
トロ
352kcal 28.3g 6.06g 10.62g 7.68g
くろまぐろ
トロ
344kcal 27.5g 5.91g 10.20g 6.41g
くろまぐろ
(養殖)赤身
177kcal 7.6g 1.73g 2.53g 3.70g
めばち
トロ
173kcal 7.5g 1.78g 2.63g 2.07g
めかじき 153kcal 7.6g 1.63g 3.55g 1.11g
めじまぐろ 152kcal 4.8g 1.09g 0.99g 1.55g
めばち
赤身
130kcal 2.3g 0.49g 0.54g 0.57g
くろまぐろ
赤身
125kcal 1.4g 0.25g 0.29g 0.19g
びんちょうまぐろ 117kcal 0.7g 0.15g 0.19g 0.23g
まかじき 115kcal 1.8g 0.47g 0.35g 0.52g
きはだまぐろ 112kcal 1.0g 0.21g 0.12g 0.25g
くろかじき 99kcal 0.2g 0.04g 0.02g 0.05g
みなみまぐろ
赤身
95kcal 0.4g 0.06g 0.05g 0.09g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

みなみまぐろのトロは1/3弱が脂質で100g当たり352kcalあるのに対し、赤身の脂質は1%未満で95kcalと、まぐろも肉類と同様、部位や品種によって脂質の含有量やカロリーに大きな差があることが分かります。

ただしトロの部分にはDHAが豊富に含まれており、体に有用な脂質の摂取源の一つだといえるでしょう。

2-2-2.あじ

食卓に上がることの多いあじですが、実はいくつかの種類が流通しているのをご存じでしょうか。

あじの仲間に含まれる脂質やカロリーについて確認してみましょう。

【可食部100g当たりのあじ類のカロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸
にしまあじ 169kcal 9.1g 2.48g 3.04g 2.20g
むろあじ 166kcal 6.9g 1.79g 1.11g 1.66g
まるあじ 147kcal 5.6g 1.76g 1.09g 1.56g
まあじ
(皮付き)
126kcal 4.5g 1.10g 1.05g 1.22g
まあじ
(皮なし、刺身)
123kcal 4.1g 0.97g 0.90g 1.01g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成
[メモ]
全て生の状態のデータをご紹介しています。

2-2-3.いわし

「いわし」はうるめいわし、かたくちいわし、まいわしなどの総称です。

いわしなどの青魚はDHAが豊富に含まれています

【可食部100g当たりのあじ類のカロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸
かたくちいわし 192kcal 12.1g 3.79g 2.65g 2.78g
まいわし 169kcal 9.2g 2.55g 1.86g 2.53g
うるめいわし 136kcal 4.8g 1.39g 0.94g 1.14g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成
[メモ]
全て生の状態のデータをご紹介しています。

2-2-4.かつお

かつおは日本近海では、春に北上する「初がつお」と呼ばれるものと、秋に産卵のために南下する「戻りがつお」と呼ばれるものが漁獲されています。

また「そうだがつお」と呼ばれる品種のものもあります。

かつおの仲間の脂質含有量やカロリーを見てみましょう。

【可食部100g当たりのかつお類のカロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸
かつお
(秋獲り)
165kcal 6.2g 1.50g 1.33g 1.84g
そうだがつお 136kcal 2.8g 0.74g 0.48g 0.84g
かつお
(春獲り)
114kcal 0.5g 0.12g 0.06g 0.19g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成
[メモ]
全て生の状態のデータをご紹介しています。

春に漁獲されるかつおは、秋のかつおに比べて脂質の含有量が少なくカロリーが低いことが分かりますね。

2-2-4.かれい

日本近海には20種類ほどのかれいの仲間が生息していますが、「まがれい」と「まこがれい」が代表的です。

また「子持ちがれい」は「あかがれい」や「ばかがれい(なめたがれい)」などのかれいが抱卵した状態のものを指します。

かれいの仲間の脂質含有量やカロリーを確認してみましょう。

【可食部100g当たりのかれい類のカロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸
こもちがれい 143kcal 6.2g 1.13g 1.72g 1.70g
まがれい 95kcal 1.3g 0.23g 0.29g 0.43g
まこがれい 93kcal 1.8g 0.31g 0.35g 0.56g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成
[メモ]
全て生の状態のデータをご紹介しています。

2-2-5.さけ

一般的に「さけ」は「しろさけ」を指しますが、「ぎんざけ」や「べにざけ」もスーパーで目にする機会があるのではないでしょうか。

またいわゆる「サーモン」もさけの仲間です。

さけの仲間のカロリーや含まれる脂質を確認してみましょう。

【可食部100g当たりのさけ類のカロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸
アトランティックサーモン
(養殖、皮なし)
243kcal 17.0g 2.38g 7.87g 4.82g
トラウトサーモン
(海面養殖、皮付き)
224kcal 14.2g 3.09g 5.04g 3.07g
ぎんざけ
(養殖)
204kcal 12.8g 2.30g 4.87g 3.74g
トラウトサーモン
(海面養殖、刺身)
189kcal 10.8g 1.65g 4.67g 3.31g
べにざけ 138kcal 4.5g 0.81g 1.75g 1.03g
しろさけ 133kcal 4.1g 0.80g 1.69g 1.01g
トラウトサーモン
(淡水養殖、皮付き)
127kcal 4.6g 0.94g 1.36g 1.26g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成
[メモ]
全て生の状態のデータをご紹介しています。

2-2-6.さば

青魚の一種であるさばは、いわしと同様DHAが豊富に含まれている魚です。

「さば」と呼ばれるもののなかにもいくつかの種類があります。

さばの仲間に含まれる脂質やカロリーを確認してみましょう。

【可食部100g当たりのさば類のカロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸
たいせいようさば 326kcal 26.8g 5.19g 9.79g 7.46g
まさば 247kcal 16.8g 4.57g 5.03g 2.66g
ごまさば 146kcal 5.1g 1.20g 0.87g 1.48g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成
[メモ]
全て生の状態のデータをご紹介しています。

さばは種類によって脂質の含有量に大きな差があることが分かりますね。

2-2-7.さんま

秋にはついさんまが食べたくなりますよね。

さんまは可食部の1/4程度が脂質で構成されています。

【可食部100g当たりのさんま類のカロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸
さんま
(皮付き)
318kcal 25.6g 4.84g 10.58g 6.35g
さんま
(皮なし、刺身)
311kcal 25.0g 4.72g 10.02g 6.09g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成
[メモ]
全て生の状態のデータをご紹介しています。

多価不飽和脂肪酸を多く含む魚であることが分かりますね。

2-2-8.たい

「たい」と名前につく魚はたくさんありますが、実はタイ科ではないものも多くあります。

ここでは一般的に「たい」と呼ばれている「まだい」の脂質含有量とカロリーをご紹介しましょう。

【可食部100g当たりのたいのカロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸
まだい
(養殖、皮付き)
177kcal 9.4g 2.26g 2.72g 2.44g
まだい(皮なし、刺身) 146kcal 5.9g 1.29g 1.78g 1.52g
まだい
(天然)
142kcal 5.8g 1.47g 1.59g 1.38g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成
[メモ]
全て生の状態のデータをご紹介しています。

2-2-9.ぶり

ぶりは成長するに伴って呼称の変わる「出世魚」です。

ぶりとその若魚である「はまち」に含まれる脂質やそれらのカロリーを確認してみましょう。

【可食部100g当たりのぶりのカロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸
ぶり 257kcal 17.6g 4.42g 4.35g 3.72g
はまち
(養殖、皮付き)
251kcal 17.2g 3.96g 5.83g 3.05g
はまち
(養殖、刺身)
203kcal 12.0g 2.81g 4.11g 2.57g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成
[メモ]
全て生の状態のデータをご紹介しています。

2-2-10.軟体動物

いかやたこといった軟体動物は脂質の含有量が少なく、カロリーも低い傾向にあります。

【可食部100g当たりの軟体動物のカロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸
あかいか 90kcal 1.5g 0.21g 0.07g 0.45g
やりいか 85kcal 1.0g 0.18g 0.05g 0.26g
けんさきいか 84kcal 1.0g 0.16g 0.04g 0.22g
まだこ 76kcal 0.7g 0.07g 0.03g 0.14g
こういか 75kcal 1.3g 0.19g 0.05g 0.33g
みずだこ 66kcal 0.9g 0.09g 0.04g 0.23g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成
[メモ]
全て生の状態のデータをご紹介しています。

2-2-11.甲殻類

一口に「えび」といっても、大きさや味わいは種類によってさまざまですよね。

「種類によって脂質の含有量はどう違うんだろう?」

と気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また同じ甲殻類であるかにに含まれる脂質が知りたいという方もいらっしゃるかもしれません。

甲殻類は脂質の含有量が少なく、カロリーが低い傾向にあります。

【可食部100g当たりの甲殻類のカロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸
あまえび 98kcal 1.5g 0.17g 0.21g 0.34g
くるまえび 97kcal 0.6g 0.08g 0.05g 0.12g
バナメイエビ 91kcal 0.6g 0.10g 0.05g 0.15g
ブラックタイガー 82kcal 0.3g 0.04g 0.03g 0.06g
毛がに 72kcal 0.5g 0.05g 0.06g 0.15g
たらばがに 64kcal 0.9g 0.09g 0.12g 0.25g
ずわいがに 63kcal 0.4g 0.03g 0.06g 0.13g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成
[メモ]
全て生の状態のデータをご紹介しています。バナメイエビは主に頭を取った冷凍エビとして流通しているものです。

2-2-12.貝類

貝類も脂質含有量が少なくカロリーが低いといえるでしょう。

【可食部100g当たりの貝類のカロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸
ほたて
(貝柱)
88kcal 0.3g 0.03g 0.01g 0.06g
ほたて 72kcal 0.9g 0.18g 0.09g 0.15g
かき 70kcal 2.2g 0.41g 0.21g 0.60g
しじみ 64kcal 1.4g 0.24g 0.14g 0.19g
あさり 30kcal 0.3g 0.02g 0.01g 0.04g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成
[メモ]
全て生の状態のデータをご紹介しています。

2-3.野菜類

「野菜にも脂質は含まれているのかな?」

と気になった方もいらっしゃるかもしれませんね。

ここでは脂質が多い野菜と、食卓に頻繁に登場する野菜を取り上げて脂質含有量とカロリーをご紹介しましょう。

【可食部100g当たりの野菜類のカロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸
じゃがいも 76kcal 0.1g 0.02g 0 0.02g
アボカド 187kcal 18.7g 3.21g 10.82g 2.16g
えだまめ 135kcal 6.2g 0.84g 1.88g 2.77g
とうもろこし
(スイートコーン)
92kcal 1.7g 0.26g 0.49g 0.54g
西洋かぼちゃ 91kcal 0.3g 0.04g 0.06g 0.06g
日本かぼちゃ 49kcal 0.1g 0.01g 微量 0.03g
大豆もやし 37kcal 1.5g 0.20g 0.20g 0.78g
にんじん
(皮むき)
36kcal 0.1g 0.01g 微量 0.04
たまねぎ 35kcalg 0.1g 0.01g 微量 0.03g
キャベツ 23kcal 0.2g 0.02g 0.01g 0.02g
だいこん(皮むき) 18kcal 0.1g 0.01g 微量 0.02g
白菜 14kcal 0.1g 0.01g 微量 0.03g
ほうれん草 20kcal 0.4g 0.04g 0.02g 0.17g
トマト 19kcal 0.1g 0.02g 0.01g 0.03g
きゅうり 14kcal 0.1g 0.01g 微量 0.01g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成
[メモ]
全て生の状態のデータをご紹介しています。

「森のバター」と呼ばれるアボカドはやはり脂質含有量が多くカロリーも他の植物性食品に比較すると高いといえます。

またとうもろこしや枝豆、大豆などは脂質含有量がやや多い傾向にあります。

そのほかの野菜には、ほとんど脂質が含まれていません。

「健康診断で血圧が高いといわれてしまった……高血圧の原因ってなんなんだろう?」

「じゃがいもはほとんど脂質が含まれていないのに、どうして他の野菜よりカロリーが高いの?」

と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれませんが、じゃがいもやかぼちゃなどの野菜には脂質以外のエネルギー産生栄養素(炭水化物)が含まれているためです。

[メモ]
植物性食品で脂質が多く含まれるものに関しては他にナッツ類が挙げられます。ナッツについて詳しく知りたいという方はこちらの記事をご覧ください。

2-4.その他

そのほかの食品の脂質含有量およびカロリーをお伝えしましょう。

2-4-1.乳製品

「牛乳にはどれくらいの脂質が含まれているんだろう?」

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは乳製品に含まれる脂質とカロリーについてお伝えします。

【可食部100g当たりの乳製品のカロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸
クリーム
(乳脂肪)
412kcal 43.0g 26.28g 9.89g 3.08g
クリーム
(乳脂肪・植物性脂肪)
409kcal 42.1g 18.32g 18.74g 1.17g
クリーム
(植物性脂肪)
370kcal 39.5g 26.61g 7.38g 1.84g
クリームチーズ 346kcal 33.0g 20.26g 7.40g 0.89g
普通牛乳 67kcal 3.8g 2.33g 0.87g 0.12g
ヨーグルト
(全脂無糖)
62kcal 3.0g 1.83g 0.71g 0.10g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

2-4-2.油脂類

「料理に使う油にはどんな脂質が含まれているんだろう?」

このように気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

油脂類の脂質含有量とカロリーをお伝えしましょう。

【可食部100g当たりの乳製品のカロリーおよび代表的な脂質の含有量】
※横にスクロールできます
部位 カロリー 脂質
(合計値)
飽和脂肪酸 一価不飽和
脂肪酸
多価不飽和
脂肪酸
オリーブオイル 921kcal 100.0g 13.29g 74.04g 7.24g
ごま油 921kcal 100.0g 15.04g 37.59g 41.19g
大豆油 921kcal 100.0g 14.87g 22.12g 55.78g
とうもろこし油 921kcal 100.0g 13.04g 27.96g 51.58g
なたね油 921kcal 100.0g 7.06g 60.09g 26.10g
ひまわり油
(ハイオレイック)
921kcal 100.0g 8.74g 79.90g 6.79g
べにばな油
(ハイオレイック)
921kcal 100.0g 7.36g 73.24g 13.62g
ソフトタイプマーガリン
(家庭用)
769kcal 83.1g 23.04g 39.32g 12.98g
有塩バター 745kcal 81.0g 50.45g 17.97g 2.14g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成
ハイオレイックとは
「オレイン酸」を多く含む品種から製造されているものをハイオレイックといいます。オレイン酸は一価不飽和脂肪酸の一種で、悪玉コレステロールを上昇させにくいといわれています。

一般的に調理の際に使われる液状の油は、100%が脂質であるということができます。

ただし脂質の種類は原料となる植物によって大きく異なります

例えばオリーブオイルの脂質の70%以上は一価不飽和脂肪酸ですが、大豆油は多価不飽和脂肪酸が半分以上を占めています。

風味だけでなく、体への影響を考えて油を選ぶのも良いかもしれませんね。

3.脂質の摂取や吸収を抑えるための工夫

「健康診断でメタボリックシンドロームだと言われてしまった……」
「脂質の摂取量を減らすためにはどうしたら良いんだろう?」

このように気になっている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは調理や食事の際に脂質の摂取や吸収を抑えるための工夫をお伝えしましょう。

工夫1 調理法を工夫する

例えば衣をつけて揚げる天ぷらやフライなどは、衣が油を吸ってしまうため脂質の摂取量が増えてしまいますよね。

メインの食材は同じでも、調理方法を工夫することで脂質の摂取量を減らせると考えられます。

油を使って揚げたり炒めたりする料理を避け、蒸したり煮たりするのがおすすめですよ。

脂質が食材から分離され余分な脂質を落とせると考えられます。

肉類は下茹でをしてから料理に使うのも良いでしょう。

また脂身や皮を取り除くことでも脂質の摂取量を抑えられると期待できます。

肉や魚を焼きたいときには油を使わず網焼きにして脂質を落とすようにしましょう。

工夫2 食物繊維を多く摂る

脂質の吸収を抑えるために、食物繊維を多く摂ることもおすすめです。

食物繊維とは
食べ物に含まれるヒトの消化酵素では消化することのできない物質のことです。肉や魚などの動物性食品にはほとんど含まれておらず、野菜や海藻類などの植物性食品に多く含まれています。

食物繊維には、よく知られている整腸作用のほかに脂質・糖・ナトリウム(塩分)などを吸着して身体の外に排出するはたらきがあるのです。

日本人は食物繊維が不足しがちな傾向にあります。

少しでも食物繊維を多く摂るよう心がけたいですね。

[メモ]
食物繊維を多く含む食品についてはこちらの記事をお読みください。

4.まとめ

脂質は炭水化物・たんぱく質に並んで身体のエネルギーとなる「エネルギー産生栄養素」の一つです。

ただし炭水化物・たんぱく質が1g当たり4kcalなのに対し、脂質は1g当たり9kcalとカロリーが高く、摂り過ぎは肥満の原因にもなってしまいます。

また一口に「脂質」といってもさまざまな種類があり、身体に与える影響はそれぞれに異なると考えられます。

例えば肉に多く含まれる飽和脂肪酸は体内で合成が可能です。

一方魚などに多く含まれる不飽和脂肪酸のうち、多価不飽和脂肪酸は身体に有用なはたらきをする上、食品から摂取しなくてはなりません。

単にカロリーを気にするだけでなく、身体への効果を考えながら食べるものを選ぶべきだといえますね。

また調理法を工夫したり、食物繊維を多く摂ったりすることで脂質の摂取量や吸収量を抑えられると考えられます。

この記事を参考に、脂質の摂り過ぎを避け健康的な食生活を意識してみてくださいね。