ハーブの種類と効用は?自宅で育てて食べておいしい、おすすめ20選

「ハーブにはどんな効果があるの?」
「家で育てられるの?」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

一口に「ハーブ」といっても幅広く、薬用として長く使われてきたものから、料理に風味と彩りを添えるものまで、使い道も品種によってさまざまです。

種類によってはご家庭で簡単に育てて気軽に使えるので、ぜひ栽培に挑戦してみてくださいね。

この記事では、一般に広く知られているハーブのなかでも特に、家庭での栽培が可能なものを取り上げてご紹介します。

家で育てられるハーブがすぐに知りたい方はこちら>>

1.ハーブってそもそも何?

「ハーブってそもそもなんなの?」
「ハーブに定義はあるの?」

と疑問にお思いの方も多いのではないでしょうか。

幅広く活躍してくれるハーブですが、厳密な定義はなく、料理に使われるものはスパイスとの違いもやや曖昧になっていますが、一言でまとめるなら、ハーブとは、香りが良く人間にとって有用だとされる植物の総称です。

英語の「herb」はラテン語で草を意味する「herba」が語源となっており、その名のとおり草のような植物を指すことが一般的には多いようです。

有史以来、あるいはそれ以前から、人々はハーブを暮らしのなかに取り入れて、料理の香り付けやお茶、芳香剤、薬、虫よけなど、さまざまな用途で活用してきました。

2.ハーブの使い道

ハーブは品種によって薬として使われたり、料理の風味付けに使われたり、あるいはお茶にして飲まれたり、さまざまな使われ方をされてきました。

ハーブにはどのような使い道があるのか、確認してみましょう。

【ハーブの使い道】

使い道1 薬用効果・効能への期待

ハーブが古くから薬として使われてきたことをご存知の方は多いでしょう。

例えばヨーロッパにおいては、古代ギリシアの時代には既に、ハーブの薬効を利用する「植物療法」が広く知られていたといいます。

日本では、植物由来の薬は「漢方」として知られています。

西洋では古くからハーブがその役割を果たしてきたといえるでしょう。

世界中を探しても、植物療法が存在しなかった文化はほぼないと考えられています。

「ハーブって本当に効くの?」

とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。

確かに、現在の日本では植物から作られる「薬」にはあまりなじみはありませんよね。

しかし実はヨーロッパではハーブの薬としての有効性が認められています。

特にドイツではハーブを原料とした医薬品が多く、現在でも店頭でさまざまなものを見かけることができます。

ドイツの連邦保健庁には、「コミッションE」というハーブを医薬品として利用する場合の効果と安全性を協議する専門委員会が設置されており、世界的権威を持っています。

例えばよく肉料理などに使われる日本でもメジャーなローズマリーは、消化不良に対する効果があることがコミッションEによって認められています。

また、セージは多汗症に対する効果をコミッションEで認められています。

さらにコミッションEでは認められていないものの、高脂血症や認知能力・記憶力に対する有効性も示唆されています。

植物療法は人類の歴史とともに進化してきたものの一つです。

科学が発達する以前、人類は経験の蓄積によって薬の効果を裏付けてきたことでしょう。

かつて薬として使われていたもののなかには有効性が認められないとされたものもありますが、科学的に解明してみると、実際に効果があった例もあるということですね。

使い道2 料理・飲み物の風味付け

料理や飲み物を通じてハーブに親しんでいる方も多いかもしれませんね。

国や地域を問わず、ハーブはさまざまな料理や飲み物の材料として幅広く使われています

イタリアンでよく使われるバジルやエスニック料理に使われるパクチー、デザートやカクテルに入れられるペパーミントなどが頭に浮かんだ方も多いのではないでしょうか。

材料となるハーブ独特の風味が味の決め手となっている料理も少なくありません。

肉や魚などの食材の臭み消しや、品種によっては防腐剤のはたらきを果たしてくれるものもありますね。

また、乾燥させてお茶として利用したり、お酒に浸けてリキュールとして使ったりすることもあります。

使い道3 香りを楽しむ

ハーブといえば、良い香り、あるいは独特の香りを思い出す方も多いのではないでしょうか。

香りを楽しむのもハーブの使い道の一つです。

現在では人工の香料も普及していますが、古くは植物由来の香りが多く使われていました。

ポプリのようにハーブを乾燥させて芳香剤のように使ったり、香水やアロマオイルなどの原料としたり、さまざまに活用されてきました。

香りを嗅ぐことでリラックスできたり、集中力が高まったりするとされているものもあります。

3.ハーブを育てるメリットは?

ハーブを暮らしに取り入れたいのであれば、ご自宅で育ててみるのもおすすめですよ。

ものによっては鉢植えや水耕栽培で気軽に育てることができます。

「ハーブがいろいろ使えるのは分かったけど、わざわざ育てるのは面倒……」

と思われるかもしれません。

しかし、おうちでハーブを育てると、ハーブを使うごとに買ってくるよりも気軽に、多様な楽しみ方ができます

ここでは、おうちでハーブを育てるメリットをお伝えしましょう。

【ハーブを育てるメリット】

メリット1 新鮮なハーブを食卓に活かせる

近年、国内のハーブ消費量は増加傾向にあります。

普段のお料理にハーブを取り入れている、取り入れたいという方もきっといらっしゃるでしょう。

ご自宅でハーブを育てれば、必要なときに必要なだけハーブを収穫し、新鮮なハーブの香りを楽しむことができます。

ご自分で育てたハーブを食べる楽しみは格別ですよ。

メリット2 花を楽しめる品種もある

ハーブのなかには、花を楽しめる品種もあります

ラベンダーやカモミールなどが頭に浮かんだ方もいらっしゃるでしょう。

それらの品種はハーブ独特の香りや味、効用だけでなく、見た目でも私たちの生活を豊かにしてくれるのです。

目で楽しむというのは植物を育てる上で大きなポイントですよね。

メリット3 虫よけ効果も期待できる

虫は日常生活のなかでできるだけ出合いたくない存在ですよね。

実はハーブのなかには虫が香りを嫌って近づかないものもあります

蚊やハエ、ゴキブリなど日常生活の中で出合いたくない虫を避ける効果について研究が進められているものもあります。

市販の虫よけだけでなく、ハーブも活用することでより効果的に虫よけができるといえるでしょう。

特にお子さまがいるご家庭では、天然のハーブによる効果で虫よけができるとうれしいですよね。

お庭や室内でハーブを育てることで、市販の虫よけを使わずに嫌いな虫と出合う機会を減らすことができるかもしれませんよ。

4.ハーブの注意点は?危険な場合もある?

ハーブは私たちの暮らしにさまざまなメリットをもたらしてくれます。

しかし、良い効果だけがあるとは限りません。

ここでは、ハーブを使う上での注意点についてお伝えしましょう。

【知っておきたいハーブの注意点】

注意点1 摂り過ぎには注意

ハーブには、品種によって薬効があるとされているものもあります

多量の摂取は体調に思わぬ影響を及ぼす可能性があるため、摂り過ぎには気を付けるよう意識しておきましょう。

健康に良いとされているハーブであっても、たくさん摂取したからといってその分良い効果が強くなるというものでもありません。

一般的に料理やハーブティーなどに使われる種類・量であれば大きな害があるとは考えられませんが、一度に度を超えた量を摂取するのは避けるようにしましょう。

注意点2 基礎疾患がある場合や服薬中の場合は注意

基礎疾患がある方や服薬中の方は、特定のハーブを摂り過ぎると体調が悪化したり服用している薬の効きが悪くなったりする可能性があるため注意してください。

例えばリコリス(カンゾウ)を長期間多量に摂取し続けると、血圧の上昇を招くとされています。

また、セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)というハーブはさまざまな薬の代謝に関わっており、薬と併用すると重篤な副作用を引き起こす可能性があります。

基礎疾患があったり薬を飲んだりしている方は、薬効があるとされているハーブを摂取するときには特に、念のためかかりつけの医師に相談するようにしてください。

注意点3 アレルギーがある場合は注意

ハーブのなかには、アレルギー症状を引き起こす可能性があるものもあります。

植物に対するアレルギーがある方は特に、ハーブを栽培したり、使用したりする前にそのハーブがご自身のアレルギー反応を引き起こさない品種であることを確認してください。

例えばよく知られるハーブのレモングラスはイネ科、カモミールはキク科です。

それぞれの科に対するアレルギー症状をお持ちの方には利用をおすすめできません。

ここに挙げたのはごく一例なので、アレルギーをお持ちの方がハーブを使う際にはそのハーブが何科に属するものであるのかチェックするようにしましょう。

注意点4 妊娠中の場合は注意

妊娠中はカフェインを控えた方が良いことはご存知の方も多いでしょう。

ではコーヒーや紅茶を控える代わりにハーブティーを代用としても良いのでしょうか。

「ノンカフェインならハーブティーは妊娠中に飲んでも大丈夫だよね?」

とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。

たしかに通常の食品として摂取する種類・量であれば妊娠中であっても害はないと考えられます。

ただし料理に使われるハーブも多量の摂取、あるいは濃縮された状態での摂取は体調に思わぬ影響を及ぼす可能性があるため控えたほうが良いと考えられるでしょう。

また、妊娠中の方は摂取を控えた方が良いとされている品種もあるので注意が必要です。

ハーブティーの中でよく知られているもので摂取する際気を付けるべきなのは、カモミール、アロエ、ユーカリ、リコリス(カンゾウ)、ナズナなどが挙げられます。

その他にも妊娠中は控えた方が良いとされているハーブがさまざまにあるため、かかりつけ医に相談するようにしましょう。

[参考サイト]
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所が「「健康食品」の安全性・有効性情報」というサイトで情報を公開しているので、参考にしてみてくださいね。

注意点5 ペットがいる場合は注意

ご自宅でペットを飼っているという方はハーブを育てる際には注意が必要です。

例えば犬や猫は嗅覚が非常に敏感です。

ハーブの香りの強さは犬や猫にとってストレスになってしまうかもしれません。

また、ハーブによってはペットにとって有毒・有害な物質が含まれているものもあります。

天然成分だからといって安全だとは限りません。

人にとっては有用なものであっても、動物の身体にとっては危険なものもあるのです。

例えば犬や猫にとっては以下のようなハーブが有毒だとされています。

【犬や猫にとって有害だとされているハーブの一例】
  • ・オレガノ
  • ・カモミール
  • ・パセリ
  • ・ミント
  • ・ラベンダー
  • ・レモングラス
  • ・レモンバーベナ

ここに挙げているものは一例ですが、よく知られているハーブのなかにもペットにとって有害なものがあることが分かりますね。

大切なペットを守るために、ペットを飼っていらっしゃる方がハーブを栽培・使用する際には十分に注意しましょう。

心配な場合はかかりつけの獣医師に相談してください。

[参考サイト]
犬や猫にとって有毒/無毒な植物について は、The American Society for the Prevention of Cruelty to Animals(アメリカ動物虐待防止協会)が「Poisonous Plants Toxic and Non-Toxic Plants List 」で詳しくまとめています。
サイトは英語ですが、犬や猫を飼っている方は確認してみるのも良いでしょう。

5.家で育てて食べられるメジャーなハーブ20選

ハーブの香りや見た目、味を楽しむために家で育ててみたいという方も多いのではないでしょうか。

ここでは、ご自宅で育てて、食べることができるハーブを20種類ご紹介します。

ハーブの種類は非常に多岐にわたりますが、ここでご紹介するのは皆さんが見聞きしたことがあるだろうものを厳選しています。

葉や花をすぐに食卓に使うことのできるものばかりなので、ぜひハーブ栽培に挑戦してみてくださいね。

なかには土を使わず、ペットボトルなどを用いて水と液体肥料だけで育てる「水耕栽培」で簡単に育てられるものもありますよ。

【用途別・家で育てて食べられるハーブ20選】
[メモ]
本記事でご紹介しているハーブの原産地・形態には諸説あるものも含まれます。

用途1 洋食におすすめ8選

まずはイタリアン、フレンチ、スペイン料理……幅広い意味での「洋食」におすすめのハーブをご紹介しましょう。

食卓にハーブを取り入れるのはハードルが高いように感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。

例えばバジルなどを育てていればちぎって洗って添えるだけで普段のパスタに彩りと風味を添えることができますよね。

またクレソンやルッコラなど、そのままサラダにして食べられるものもあります。

新鮮なハーブを育てるだけで、普段のおうちごはんがもっとオシャレにおいしくなりますよ。

【洋食におすすめのハーブ8選】

(1)バジル

科名 シソ科
形態 多年草(日本では一年草)
原産地 熱帯アジア、インド
草丈/樹高 50〜80cm
苗/種 苗(5月中旬〜7月中旬)
収穫期 6月中旬〜10月上旬
備考 暑さに強い、水耕栽培も可能

日本人にもなじみ深くイタリアンには欠かせないバジルはご自宅で簡単に栽培できます

甘く爽やかな独特の香りがあり、鮮やかな緑が目にも楽しいですよね。

ちぎって散らすだけで普段のパスタをグッと本格的な風味に変えることができます

また、一手間かけてジェノベーゼソースにするのも良いでしょう。

ソースにすればパスタだけでなく肉や魚のソテーに添えたりゆでたジャガイモとあえたりとさらに幅広く活用することができます。

一口に「バジル」といってもさまざまな品種があり、イタリア料理などで用いる代表的な品種は「スイートバジル」というものです。

熱帯アジア・インドが原産で寒さに弱く、4〜6月の暖かい時期の種まきもしくは5〜7月の苗の植え付けが向いています。

本来は多年草ですが日本の冬を越すのは難しく、一年草として扱われる場合が多いようです。

土を使わずペットボトルとスポンジで水耕栽培もできるので、庭がないという方でも手軽に育てられますよ。

(2)ルッコラ

科名 アブラナ科
形態 一年草
原産地 地中海沿岸地域
草丈/樹高 20〜30cm
植え付け/
種まき
種まき(4~7月上旬、9~10月)
収穫期 5月中旬〜8月中旬、10月中旬〜12月
備考 寒さに強い

ごまのような風味と爽やかな辛味が特徴のルッコラは、お庭やプランターなどで育てることができます。

地中海原産で、主にイタリアや南フランスでよく料理に使われています。

日本でもイタリアンレストランでサラダやピザなどに使われているのを見ますよね。

生ハムやチーズに添えると相性抜群です。

ビタミンC、ビタミンE、カルシウムを豊富に含むため、普段の料理やおつまみに添えるだけで簡単に摂取栄養素を増やすことができますよ。

ルッコラの種まきは4〜7月上旬、9〜10月と幅広い時期に行えます。

寒さに強く、秋に植えた場合は10月中旬から12月という比較的寒い時期でも収穫できます。

(3)クレソン

科名 アブラナ科
形態 多年草
原産地 中部ヨーロッパ
草丈/樹高 20〜60cm
植え付け/
種まき
種(4〜5月、9月)など
収穫期 ほぼ一年中
備考 水耕栽培も可能

爽やかな香りとピリッとした辛みが特徴のクレソンはヨーロッパからアジアの温帯地域まで広い地域に分布している植物です。

実は明治の初期には日本に伝わっており、親しまれてきました。

肉・魚料理の付け合わせやサラダなどに使われているのをよく見ますよね。

脂っこいものを食べた後に口の中をさっぱりさせてくれます。

クレソンは元々水辺に生える植物のため、ご自宅で育てる際にも土を使う必要はなく、簡単に水耕栽培が可能です。

水耕栽培の場合は食用で売られているクレソンの茎を水に浸けて始めることができます。

比較的寒い地域でも育ち、5℃以下にならない場所で管理すれば冬の間も収穫することができますよ。

繁殖力が強く多年草のため、一年間に何度も収穫できる上、何年間も楽しむことができるのがうれしいポイントです。

(4)パセリ

科名 セリ科
形態 二年草
原産地 地中海沿岸地域
草丈/樹高 20〜30cm
植え付け/
種まき
苗(4〜7月)など
収穫期 8〜5月中旬
備考 寒さに強い

爽やかな独特の香りと少しほろ苦い味わいのパセリは、洋食の付け合わせとしてポピュラーですよね。

目に鮮やかな緑と独特のほろ苦さが料理を引き立てます。

肉や魚の香草焼きやサラダ、スープ、ソースなど幅広く活躍してくれますよ。

栄養価が高いのも特徴です。

パセリというと葉が縮れている「カールリーフ」のものが思い浮かぶかもしれませんが、「フラットリーフ」といって葉が平らな品種もあります。

フラットリーフのなかでは穏やかな香りのする「イタリアンパセリ」という品種が代表的です。

地中海沿岸原産の二年草で、寒さにも強い性質を持っています。

パセリはプランターやお庭で自家栽培が可能です。

種まきから始めると収穫まで時間がかかってしまうので、苗から育てるのがおすすめですよ。

(5)オレガノ

科名 シソ科
形態 多年草
原産地 地中海沿岸〜中央アジア
草丈/樹高 40〜50cm
植え付け/
種まき
苗(4月中旬〜6月上旬、10月中旬〜11月中旬)
収穫期 3〜10月上旬
備考 寒さに強い、花を楽しむこともできる

オレガノは、トマトとの相性が抜群のイタリア料理によく用いられるハーブです。

見た目であまりピンとこなくても、匂いを嗅げば、

「あ、イタリアンの匂いだ!」

と思う方も多いのではないでしょうか。

トマトソースのピザやパスタ、煮込み料理などに幅広く使われています

また、肉や魚の臭み消しにもぴったりなので、ソテーなどに添えるとお店の味に近付くかもしれませんよ。

オレガノは地中海沿岸から中央アジアが原産地の多年草です。

料理だけでなく香料、芳香剤、鎮痛剤などに古くから使われてきました

実は「花薄荷」という別名があり、薄紫色の可愛らしい花を楽しむこともできます。

寒さには強く丈夫な植物ですが、日本の高温多湿の夏には弱いので育てる際には注意が必要です。

種から育てる場合には桜が咲いて気温が安定した頃に種まきを行い、2カ月が経った辺りから収穫ができますよ。

(6)ローズマリー

科名 シソ科
形態 常緑低木
原産地 地中海沿岸
草丈/樹高 30〜200cm
植え付け/
種まき
苗木(3月中旬〜5月、9月中旬〜10月)
収穫期 特になし
備考 寒さに強い、花も楽しめる

すっきりとした強い香りが特徴のローズマリーは地中海沿岸地方が原産で、イタリアやフランスの料理には欠かせません。

トマトやニンニクなどと相性抜群で、羊肉や豚肉、イワシやサバなどクセの強い素材の臭み消しだけでなく、淡白な素材のアクセントとしても活躍してくれます。

また、生の葉っぱでハーブティーを楽しむこともできます。

他のハーブとブレンドして飲むのも良いでしょう。

また、抗菌作用や酸化防止作用があるともいわれています。

多年生の低木で、水はけの良い土地を好みます。

秋から早春にかけては薄紫や水色、ピンク色の花を楽しむこともできますよ。

寒さにも暑さにも強いため初心者でも育てられますが、鉢植えの場合は2年に1度程度の植え替えが必要となるため、育てる場合には十分なスペースがある方が良いでしょう。

(7)タイム

科名 シソ科
形態 低木(亜低木)
原産地 地中海沿岸に多い、日本にも1種
草丈/樹高 5〜30cm
植え付け/
種まき
苗木(3月〜6月、9月〜11月)
収穫期 特になし
備考 寒さに強い、暑さに強い、多湿に弱い

タイムは独特の清々しい香りが特徴のハーブです。

肉や魚、トマトなどと相性が良く、香草焼きやムニエル、煮込み料理、スープなど幅広く活躍してくれます。

また、ハーブティーの材料としても親しまれています。

ヨーロッパでは古代ローマ・ギリシャ時代から調理や薬用に使われていました

殺菌防腐効果が高く、紙類の防虫などに利用されていたこともあるようです。

タイムは花壇や鉢植えなどで栽培することができ、主に4〜6月に小さなかわいらしい花を咲かせます。

実は300〜400種があるという説もあり、日本の山野にも「イブキジャコウソウ」という仲間が自生しています。

暑さにも寒さにも強い性質がありますが、湿気には弱いため、育てる際は水はけの良い土を選んであげるようにしましょう。

春から初夏、または秋に苗を植えるのが一般的です。

(8)セージ

科名 セリ科
形態 多年草
原産地 地中海沿岸地方
草丈/樹高 60〜90cm
植え付け/
種まき
苗(4月中旬〜5月)
収穫期 7〜10月
備考 寒さに強い

実はソーセージの「セージ」という名前はこのハーブが由来だといわれています。

セージの基本種である「コモンセージ」には「薬用サルビア」という別名があり、古くから薬用植物として利用されてきました。

セージは強い爽やかな香りと少しほろ苦い味が特徴で、特にヨーロッパではよく使われて います。

肉料理や魚料理など、脂っこい料理をスッキリと仕上げるのにぴったりのハーブです。

料理に使うとグッと本格的な味わいになるでしょう。

サルビアの仲間であるため、おうちで育てれば小さな可愛らしい花を楽しむこともできます

育てる際には風通しと水はけの良い場所を選んであげてくださいね。

用途2 エスニック料理におすすめ2選

エスニック料理にもハーブが欠かせません。

料理の味の決め手となるハーブのクセのある風味にハマっているという方も多いのではないでしょうか。

人気のあのハーブも、実はご家庭で育てることができるのでお好きな方はぜひ育ててみてくださいね。

【エスニック料理におすすめのハーブ2選】

(1)パクチー(シャンツァイ、コリアンダー)

科名 セリ科
形態 一年草
原産地 地中海沿岸地方(北アフリカから西アジアにかけて)
草丈/樹高 60cm
植え付け/
種まき
種など
収穫期 5月下旬〜11月上旬
備考 寒さに強い、水耕栽培も可能

パクチーの葉の強い匂いは好き嫌いが分かれ、病みつきになってしまう方もどうしても苦手で食べられないという方もどちらもいらっしゃいますね。

お好きな方のなかには

「サラダにして山盛り食べたい!」

という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ご自宅で育てればパクチーを好きなだけ食べられるかもしれませんよ。

パクチーは日本でも育てやすく、土を使わない水耕栽培でも栽培が可能です。

一年草ですが収穫時期は5月下旬〜11月上旬と長くなっています。

種を取って翌年も育てるのも良いかもしれませんね。

生だけではなく、炒め物やスープ、麺類、ソースなど幅広く利用できます。

また、葉っぱの独特の風味は苦手だという方もきっとパクチーの種にはお世話になっているはずです。

実はカレーには欠かせないスパイス「コリアンダー」は、パクチーの乾燥させた種のことなのです。

(2)レモングラス

科名 イネ科
形態 多年草
原産地 インド南部、スリランカ
草丈/樹高 100〜180cm
植え付け/
種まき
ポット苗(3月下旬〜4月)
収穫期 6〜10月
備考 暑さに強い、日なたを好む

レモングラスの葉にはその名のとおりレモンのような爽やかな香りがあります。

ベトナムやタイなど東南アジアの料理で、カレーやトムヤムクンなどの香り付けとしてよく利用されています。

独特の香りが食欲をそそりますよね。

ココナッツミルクやナンプラーと相性が良いので、合わせて調理することで身近な食材もエスニック風味で楽しめるでしょう。

また、レモンに似た香りはハーブティーの材料としてもぴったりです。

インド南部やスリランカなどの暑い地方原産の植物なので、暑さには強い一方寒さには弱いという性質があります。

寒い地方で育てる場合には鉢植えで、冬は屋内に入れてあげるようにしましょう。

育て始めは3月下旬〜4月に苗で植え付けます。

用途3 和食におすすめ5選

「和食にハーブ?」

と違和感を覚えた方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちの普段の食卓にも香りがよく良い効果をもたらしてくれる草、広い意味での「ハーブ」は欠かせません

「香草」といえばなじみがあるかもしれませんね。

料理にアクセントを添えてくれる和のハーブもご自宅で栽培が可能です。

【和食におすすめのハーブ5選】

(1)シソ(紫蘇)、大葉

科名 シソ科
形態 一年草
原産地 中国
草丈/樹高 70〜80cm
植え付け/
種まき
種(5〜7月)など
収穫期 6月下旬〜8月
備考 繁殖力が強い、水耕栽培も可能

「シソ」と呼ばれる植物には、葉が緑色の「青じそ」と紫色の「赤じそ」があります。

「大葉」とも呼ばれる青じそは清涼感のある香り高さが特徴です。

薬味として大活躍してくれるだけでなく、そのまま天ぷらにしたり、スパゲティなどの洋食に合わせたりと幅広く楽しむ ことができます。

実はしそは葉だけでなく、発芽したての双葉の「芽じそ」、若い「花穂(かすい)」の「穂じそ」、成熟前の果実も料理に利用することができます。

生命力が強く、土を使わない水耕栽培でも育てることができるので初心者の方やお庭がない方にもおすすめです。

葉の根本の部分を水に浸けておくだけで根が生えてくることもある ようですよ。

(2)ミツバ(三つ葉)

科名 セリ科
形態 多年草
原産地 東アジア
草丈/樹高 40〜50cm
植え付け/
種まき
種(3〜10月)
収穫期 6〜10月
備考 発芽率が低い、日陰でも栽培できる

ミツバも日本では広く知られた香草の一つですよね。

みずみずしい爽やかな香りが特徴のミツバは、汁物や丼物の薬味にするほか、おひたしやかき揚げにしてもおいしく食べられます

ミツバは日当たりの悪い場所でも育てられる植物です。

直射日光が全く当たらない場所でもよく育つので、お庭の片隅のスペースに植えても良いでしょう。

反対に暑さと乾燥には弱いので、真夏には注意してください。

地方にもよりますが、基本的には6月から10月ごろまで収穫できますよ。

また、土を使わない水耕栽培も可能で、スーパーで買ったミツバの根を、水を張った容器に入れて育て始めることもできます。

種の場合は発芽率が低いので、まずは水耕栽培から始めてみるのも良いかもしれませんね。

(3)ミョウガ(茗荷)

科名 ショウガ科
形態 多年生
原産地 東アジア
草丈/樹高 60〜100cm
植え付け/
種まき
地下茎(2〜4月)
収穫期 9〜10月(1年目)、7〜8月(2年目)
備考 日陰でよく育つ

ショウガの仲間であるミョウガは独特の爽やかな風味が特徴です。

ミョウガは3世紀に書かれた『魏志倭人伝』に登場しているほど日本では古くからなじみ深い植物ですが、実は野菜として栽培しているのは日本だけといわれています。

薬味として使うだけでなく、そのままみそ汁の具材や天ぷら、あえ物など一品料理の材料として使えるのがポイントです。

カルパッチョやサラダなど、洋食の料理を和風の味付けで作る際にも合いますよ。

私たちが食べているのは地下茎から出る花穂と呼ばれる部分です。

育てる場合には地下茎(根株)で殖やします。

ホームセンターや園芸店などで売られているので、お庭やプランターに植え付けましょう。

日陰でよく育つので、お庭の片隅でも育てられます

多年生で数年にわたって収穫できますよ。

花が咲くと味や食感が悪くなってしまうので、花が咲く前のかたく締まった状態で収穫するようにしてくださいね。

(4)シュンギク(春菊)

科名 キク科
形態 一年草または二年草
原産地 地中海沿岸地方
草丈/樹高 20cmで収穫
植え付け/
種まき
種(3〜5月、9月〜10月上旬)
収穫期 5月〜6月(春まき)、10月中旬〜11月(秋まき)
備考 涼しい環境を好む

すき焼きなどの鍋物によく使われるシュンギクは、独特の香りが特徴ですよね。

葉の大きさによって「大葉種」「中葉種」「小葉種」に分類され、主に流通しているのは中葉種です。

ただし、西日本では大葉種が広く使われている ようです。

薬味としてだけでなく、葉の部分をサラダにしたり、茎の部分をおひたしや汁物の具にしたりして楽しむこともできます

栄養価が高く、ビタミンCやカルシウム、鉄分、カロテンなどが豊富です。

収穫後は傷みやすくビタミンCが急速に減ってしまうので、おうちで育てて新鮮なまま食べるのがおすすめです。

中国、日本などのアジアでは野菜として利用されていますが、実は地中海沿岸地域原産で、ヨーロッパでは花を楽しむための観賞用として栽培されています。

寒さに強い植物ですが霜には弱いので注意してくださいね。

(5)セリ(芹)

科名 セリ科
形態 多年草
原産地 日本
草丈/樹高 10〜30cm
植え付け/
種まき
種(2〜4月)
収穫期 2月〜4月
備考 暑さと乾燥に弱い

七草がゆに使われる春の七草であるセリも、ご自宅で栽培することができます。

シャキシャキした食感と独特の香りが特徴ですよね。

香り成分には、胃を丈夫にする作用や、解熱・解毒の作用があるとされていました。

お正月のごちそうで胃が疲れているときに食べる七草がゆに使われているのも理にかなっているといえますね。

薬味として使ったり、かき揚げや鍋の具材にしたりして食べられます。

カロテン、葉酸、ビタミンC、カリウム、鉄などがたくさん含まれており、栄養もたっぷりです。

ただし加熱しすぎると風味と栄養分が失われるので注意してください。

2〜4月に種を植えて育てるほか、根のついたセリを買ってきて水耕栽培で育てることも可能です。

暑さと乾燥に弱いので夏場は注意してくださいね。

用途4 お菓子・飲み物におすすめ5選

ハーブといえばハーブティーの印象が強いという方も多いのではないでしょうか。

ここではハーブティーを中心とした飲み物やお菓子にぴったりのハーブをご紹介します。

ハーブティーに使われるハーブには古くから薬用効果を期待して利用されてきたものが多くあります。

独特の香りでリラックスできるのがうれしいですよね。

【お菓子・飲み物におすすめのハーブ5選】

(1)ミント

科名 シソ科
形態 多年草(まれに一年草)
原産地 世界全域
草丈/樹高 2〜120cm(種によって異なる)
植え付け/
種まき
苗(3〜7月、9〜10月)
収穫期 4月〜10月
備考 寒さに強いものからやや弱いものまである、暑さに強いものもある、日陰でも育つ、水耕栽培も可能

ハーブと聞いてミントが真っ先に思い浮かぶという方も多いのではないでしょうか。

チョコミントなどのお菓子やデザートに使われていたり、デザートの上に彩りとして添えられていたりするだけでなく、ミントフレーバーは歯磨き粉、リップクリームやガムなど、私たちの身近な商品にたくさん使われています。

ミントを育てれば、あの爽やかな香りをフレッシュな状態で楽しむことができますね。

フレッシュなままハーブティーにしてスッキリと気分転換したり、お酒好きの方はモヒートなどのカクテルに入れたり、お菓子や料理の風味付けに使ってみたり、さまざまに利用できるでしょう。

一口に「ミント」といっても「ペパーミント」や「スペアミント」などさまざまな種類がありますが、ミント類は非常に繁殖力が高く成長が早い特徴があります。

そのため、地面で育てると他の植物を圧倒するほど殖えてしまう可能性があります

育てる際には鉢植えでの栽培が良いかもしれません。

また、水耕栽培も可能なのでお庭がない方でも手軽に楽しめます

知名度が高く育てやすいので、初心者にぴったりのハーブだといえるかもしれませんね。

(2)カモミール、カミツレ

科名 キク科
形態 一年草のものと多年草のものがある
原産地 地中海沿岸〜中央アジア、中国東部、朝鮮半島
草丈/樹高 50〜60cm
植え付け/
種まき
苗(3月、9月中旬〜10月中旬)
収穫期 4月〜6月中旬
備考 日当たりの良い環境を好む

花を楽しむハーブのなかでもカモミールは知名度が高いものだといえるでしょう。

リンゴに似た香り が特徴で、ハーブティーやアロマオイル、芳香剤、入浴剤などによく使われていますよね。

カモミールにもいくつか品種があり、「ジャーマンカモミール」や「ローマンカモミール」などがあります。

育てやすいのはジャーマンカモミールだといえるでしょう。

3〜6月ごろ花が咲いたら、摘み取って乾燥させハーブティーなどで楽しむことができます。

ミルクティーやハーブティーを用いたゼリー、お菓子などもおすすめですよ。

ジャーマンカモミールは抗炎症作用がある成分を含んでおり、風邪や頭痛、下痢などに効くとしてドイツでは治療目的の使用も承認されています。

(3)ヨモギ

科名 キク科
形態 多年草
原産地 アジア
草丈/樹高 60〜120cm
植え付け/
種まき
種、苗
収穫期 9月ごろ
備考 日なたを好む、繁殖力が強い

日本でおなじみのヨモギもお菓子や飲み物にぴったりのハーブの一つだといえますね。

若葉を収穫してよもぎ団子やよもぎ餅、よもぎパンなどのお菓子や、ハーブティーなどに使うことができます

かつては切り傷などの外用薬としても使われており、日本で広く親しまれてきたハーブだといえるでしょう。

よもぎは非常に繁殖力が強く、周りの植物をダメにしてしまう場合もあります。

育てる場合にはプランターなど特定の部分に限っての栽培がおすすめです。

(4)レモンバーム

科名 シソ科
形態 多年草
原産地 南ヨーロッパ、西アジア北部、北アフリカ西部
草丈/樹高 30〜60cm
植え付け/
種まき
種(4〜5月、10月)
収穫期 4〜10月
備考 寒さに強い、暑さに強い

レモンバームは、見た目はミントに似ていますがその名のとおり穏やかなレモンのような香りがするハーブです。

ハーブティーによく使われるほか、リキュールやサラダ、魚料理、お菓子などの材料としても利用できます

レモンバームは非常に古くから薬用植物として知られており、古代ローマ皇帝ネロの軍医を務めたディオスコリデスもその著作に薬効を記しています。

現代では鎮静効果・鎮痛効果があるとされ、ドイツでは神経性不眠症や消化器系に対する有効性が認められています。

乾燥すると香りが失われてしまうため、フレッシュなまま利用するのがおすすめです。

ご自宅で育てれば新鮮な香りが楽しめますね。

レモンバームは寒さに強く日陰でも栽培できます。

使い道も多く、初心者におすすめのハーブだといえるでしょう。

(5)ラベンダー

科名 シソ科
形態 多年生、低木
原産地 地中海沿岸
草丈/樹高 20〜100cm
植え付け/
種まき
苗(4月、10〜11月中旬)
収穫期 5〜7月
備考 乾燥に強い、日当たりの良い環境を好む、寒さに強い、暑さにやや弱い

ラベンダーも特に知名度が高いハーブの一つですよね。

鎮痛や精神安定、殺菌、防虫などの効果を期待して古くから利用されてきました。

深みのある華やかで独特の香りは広く愛され、現在でも芳香剤や入浴剤などにも使われていますよ。

また、紫色の小さな花の可愛らしさも大きな特徴の一つです。

香り高い花は摘み取ってハーブティーやクッキーなどの焼き菓子の風味付けに利用できます

もちろん食用だけではなく、ドライフラワーやポプリにして匂いを楽しむこともできますよ。

ラベンダーにもさまざまな品種がありますが、花の美しさと香りの良さを兼ね備える代表的な種は、「イングリッシュラベンダー(コモンラベンダー)」です。

開花時期は品種によって異なる場合もありますが、一般的には5〜7月とされています。

ラベンダーの花と香りをおうちで楽しめるのは格別でしょう。

イングリッシュラベンダーの場合は寒さに強い一方で暑さを苦手とするため、夏に高温多湿となる地域では育ちにくい場合もあるかもしれませんが、比較的涼しい土地にお住まいの方はぜひ挑戦してみてくださいね。

6.まとめ

ハーブとは香りがよく人にとって有用だとされる植物のことで、主に茎が柔らかい「草」状のものを指します。

薬として用いたり、料理や飲み物の材料としたり、香りを楽しんだりと人々は古くからハーブを広く使ってきました。

現代の私たちの生活にも身近な存在だといえるでしょう。

特に食用ハーブは世界各地でさまざまなものが使われており、料理の決め手になっています。

食卓に活かせるハーブのなかには簡単に育てられるものもあるので、ぜひ栽培にチャレンジして新鮮な香りや味を楽しんでみてください。

ただしハーブのなかには、人や動物の体調に影響を及ぼすものもあります

特に妊娠中の方や基礎疾患がある方、服薬中の方、ペットを飼っている方などはむやみに使用せず、医師に相談したり、信頼のおける機関が発表する資料を確認したりしてから使うようにしてくださいね。