食物繊維は整腸作用の他にも効果アリ?含有量の多いおすすめ食品11選

「食物繊維を摂った方が良いってよく聞くけど、具体的にどんな効果があるの?」
「食物繊維ってそもそもどんな食べ物に入っているの?」

というような疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

食物繊維は主にお腹の調子を良くする「整腸作用」があることで知られていますよね。

実は食物繊維には、整腸作用以外にも健康に良いさまざまな効果があり、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルという5大栄養素と並ぶ「第6の栄養素」として注目されています。

この記事では、食物繊維の知られざる効用や食物繊維を手軽に摂取できる食品をご紹介していきます。

1.食物繊維って何?

「食物繊維」という単語は聞き慣れていても、実際どういうものなのか詳しくは分からないという方は多いのではないでしょうか。

「漠然と体に良い」というイメージはあっても、改めて詳しく調べる機会はあまりありませんよね。

まずは食物繊維がどのような成分なのか具体的に見ていきましょう。

1-1.消化されずに腸まで届く食品成分

食物繊維とは、食べ物に含まれているヒトの消化酵素では消化できない成分を指します。

たんぱく質・脂質・炭水化物などの他の栄養素は「消化酵素」によって消化されますが、食物繊維は消化されずに大腸まで届くという特性を持っています。

大腸まで届いた食物繊維はそこで腸内環境を整えるはたらきをしてくれます。

1-2.食物繊維は2種類に分かれる

食物繊維は水に溶けるものと溶けないものの2種類に大別され、それぞれ腸内でのはたらきが異なります

水に溶ける「水溶性食物繊維」は、便を柔らかくして腸内を通過しやすくしたり、腸内をきれいに整えたりするはたらきがあります。

[メモ]
水溶性食物繊維のなかには柑橘類などに含まれるペクチンや、トウモロコシを原材料として人工的に作られる難消化性デキストリンなどが含まれます。

一方、水に溶けない「不溶性食物繊維」は、主に腸の水分を吸収することで便の体積を増やし、腸のぜん動運動を活発にして排便を促進します。

[メモ]
不溶性食物繊維のなかには大豆やごぼうなどに含まれるセルロースや穀類や豆類に含まれるリグニンといったものが含まれます。

2.お腹の調子を整えるだけじゃない!食物繊維の効用

食物繊維の役割は腸内の環境を整えるだけではありません

血糖値の上昇を抑えたり、血中コレステロール濃度を低下させたりして生活習慣病の予防が期待できます。

【食物繊維の3つの効用】

それぞれの効果については、これからひとつひとつ詳しくご紹介していきましょう。

効果1 お腹の調子を整える

食物繊維は便の体積を増やす材料となったり、大腸内の環境を良くする腸内細菌を殖やしたりしてお腹の調子を整えてくれるはたらきがあります。

健康な状態であれば、1日に1〜2回、黄褐色でバナナ状の便が出るといわれています。

しかし食物繊維が不足したり、その他の要因で体調が悪化したりすると硬い便や黒に近い色の便が出たり、下痢や便秘気味になったり、便通の回数が少なくなったりしてしまいます。

下痢や便秘などお腹の調子が悪い状態が続いている方は、日々の食事から積極的に食物繊維を摂るように意識してみましょう。

効果2 血糖値の上昇を穏やかにする

食物繊維は食後の「血糖値」の上昇を緩やかにしてくれます

血糖値とは血中のブドウ糖濃度のことで、炭水化物などが体内でブドウ糖に分解されて血液中に取り込まれることで上昇します。

血糖値が上がると膵臓から「インスリン」というホルモンが分泌され、ブドウ糖を体内の細胞に取り込んでエネルギー源として活用してくれます。

血糖値が急激に上昇すると、エネルギーとして活用しきれなかったブドウ糖は中性脂肪として体に蓄積されます。

[メモ]
インスリンには、エネルギーとして使い切ることができなかったブドウ糖があれば中性脂肪などに蓄えようとするはたらきもあるのです。

血糖値の激しい上昇を抑えてくれる食物繊維を日々の食生活に取り入れて、健康的な体型を維持していきましょうね。

[メモ]
食物繊維には脂質や糖を吸着して体外に排出するはたらきもあります。このはたらきによる肥満や脂質異常症(高脂血症)・糖尿病・高血圧などの生活習慣病の予防・改善効果も期待できます。

効果3 血中コレステロールの低減

食物繊維には血中のコレステロール濃度を下げるはたらきがあります

コレステロール濃度は生活習慣病と密接にかかわっています。

コレステロールとは
ヒトの体内に存在する脂質の一種で、血液中にも溶け込んでいます。血中のコレステロールは体内にコレステロールを貯める「悪玉コレステロール」とコレステロールを回収する「善玉コレステロール」に分けられます。

悪玉コレステロールが体内で増加すると、動脈硬化を引き起こし心筋梗塞や脳梗塞といった生活習慣病の原因になるといわれています。

しかし、食物繊維を十分に摂っていれば体内の悪玉コレステロールを低減させ、病気になるリスクを下げることができるのです。

3.あなたは大丈夫?食物繊維の摂取すべき量とは

健康な体づくりに欠かせない食物繊維ですが、実は十分に摂れている人はほとんどいません。

厚生労働省が発表する「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によれば一般的な成人は一日に24g以上の食物繊維を摂ることが理想的*1とされています。

しかし、日本人の成人は1日平均15.0gしか食物繊維を摂っていない*2ことが分かっており、24gを目標として掲げても達成は難しいと考えられます。

そのため、厚生労働省は年齢や性別ごとに以下のような目標量を定めています。

【食物繊維の食事摂取基準(1日当たりの目標量)】
年齢 男性 女性
18〜29歳 21g以上 18g以上
30〜49歳 21g以上 18g以上
50〜64歳 21g以上 18g以上
65〜74歳 20g以上 17g以上
75歳以上 20g以上 17g以上

この記事を読んでいるあなたも食物繊維が足りていないかもしれません。

「そうはいっても、どんな食べ物から摂ったらいいのか分からないなあ……」
「健康は気になるけど、食生活を変えるのってなかなか大変だし……」

というように、食物繊維をどうやって摂取すればいいのか分からなかったり、つい面倒に思ったりしてしまうこともありますよね。

そこで、次は食物繊維がたっぷり摂ることのできるおすすめの食品をご紹介していきます。

*2 厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査

4.食物繊維がたっぷり取れる!おすすめ食品11選

ここからは、食物繊維が多く含まれている、普段の食事に取り入れやすいおすすめの食べ物11選をご紹介しましょう。

食生活そのものを大幅に変えたり、毎日献立を工夫して考えたりするのは大変ですよね。

しかし、ご安心ください。

いつものおかずに一品加えたり、デザートやおやつに食べるものを工夫したりするだけで、食物繊維は簡単に摂取できるのです。

【おかずにおすすめの食品】
【デザートにおすすめの食品】
【おやつにおすすめの食品】

4-1.おかずにおすすめの食品

毎食1品でも食物繊維が豊富なおかずを用意すれば、食物繊維の摂取量はぐっと増えるといえるでしょう。

ここでは、食物繊維が豊富でおかずにぴったりの食材をご紹介していきます。

(1)ごぼう

ごぼうは野菜のなかでも特に食物繊維が豊富です。

食物繊維の含有量
(可食部100g当たり)
備考
ゆでたごぼう 6.1g 水溶性2.7g、不溶性3.4g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

ごぼうには「イヌリン」という水溶性食物繊維が含まれています。

イヌリンには食後の血糖値上昇を抑えてくれるはたらきがあります。

また、利尿作用を促進するはたらきや、血中コレステロール濃度を下げるはたらきもあるとされています。

(2)切干しだいこん

収穫しただいこんを天日干しにして作る切干しだいこんには食物繊維がたくさん含まれています

生のだいこんの皮を剥いて茹でた場合と、切干しだいこんを茹でた場合とで食物繊維の量を比較してみましょう。

食物繊維の含有量
(可食部100g当たり)
備考
皮を剥いて茹でただいこん 1.7g 水溶性0.8g、不溶性0.9g
茹でた切干しだいこん 3.7g 水溶性0.6g、不溶性3.2g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

切干しだいこんは茹でた大根の2倍以上の食物繊維が含まれていることが分かりますね。

油いためにして食べれば100g当たりの食物繊維量はさらに増えます。

食物繊維の含有量
(可食部100g当たり)
備考
油いためにした切干しだいこん 5.6g 水溶性1.5g、不溶性4.1g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

おかずに切干しだいこんを取り入れれば、不足しがちな食物繊維を簡単に補うことができるでしょう。

(3)きのこ類

きのこも食物繊維を多く含んでいる代表的な食品の一つです。

代表的なきのこの食物繊維量を見てみましょう。

食物繊維の含有量
(可食部100g当たり)
備考
茹でたしいたけ 7.5g 水溶性0.3g、不溶性7.2g
茹でたぶなしめじ 4.2g 水溶性0.2g、不溶性3.9g
茹でたなめこ 2.8g 水溶性1.1g、不溶性1.7g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

きのこが便秘解消に効果があるということをご存知の方は多いのではないでしょうか。

きのこは低カロリーでありながらビタミンやミネラルも多く含んでいる貴重な食材です。

食物繊維以外の栄養も摂取できるというのも嬉しいポイントですね。

(4)海藻類

こんぶやわかめなどの海藻類にも食物繊維は豊富に含まれていて、血糖値の上昇を抑制する作用があるため糖尿病を予防する効果などが期待できます。

食物繊維の含有量
(可食部100g当たり)
水煮したこんぶ 8.7g
水で戻したわかめ 5.8g
茹でたひじき 3.7g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

こんぶをはじめとした海藻類には食物繊維がたっぷり含まれていることがわかりますね。

(5)納豆

納豆は、食物繊維を豊富に含む大豆を原料とする食品です。

納豆の原料である大豆は重量のおよそ15%が食物繊維によって占められているのです。

納豆を日々の食事に取り入れるだけで、大豆を手軽に摂ることができます。

食物繊維の含有量
(可食部100g当たり)
備考
糸引き納豆 6.7g 水溶性2.3g、不溶性4.4g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

納豆でご飯を食べるだけで手軽に食物繊維を摂ることができるのですね。

4-2.デザートにおすすめの食品

デザートに果物を食べれば、さらに食物繊維の摂取量を増やすことができるといえるでしょう。

りんごやバナナなどの普段よく口にするフルーツにも食物繊維は含まれていますが、ここでは特に食物繊維の含有量が多いフルーツを厳選してご紹介していきますね。

(1)キウイフルーツ

キウイフルーツには食物繊維が比較的豊富に含まれています

食物繊維の含有量
(可食部100g当たり)
備考
キウイフルーツ
(果肉が緑の品種)
2.5g 水溶性0.7g、不溶性1.8g
キウイフルーツ
(果肉が黄色の品種)
1.4g 水溶性0.5g、不溶性0.9g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

キウイフルーツには果肉が緑色のものと黄色のものがありますが、食物繊維を多く摂りたいのであれば果肉が緑色のキウイフルーツがおすすめです。

[メモ]
キウイフルーツには食物繊維以外にもビタミンCをはじめ、ビタミンEやカリウムなどさまざまな栄養素が含まれています。

キウイフルーツには半分にカットすればスプーンで簡単に食べられるというメリットもありますが、おすすめの食べ方はヨーグルトと合わせることです。

腸を整える乳酸菌が入ったヨーグルトと一緒に食べれば、さらに腸内環境を整える作用を期待することができるでしょう。

(2)ブルーベリー

ブルーベリーはフルーツのなかでも特に食物繊維がたくさん含まれています

普段食べることが多いであろうフルーツのりんご、バナナと比べてみましょう。

食物繊維の含有量
(可食部100g当たり)
備考
ブルーベリー 3.3g 水溶性0.5g、不溶性2.8g
皮付きりんご 1.9g 水溶性0.5g、不溶性1.4g
バナナ 1.1g 水溶性0.1g、不溶性1.0g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

100g当たりで比較するとブルーベリーに含まれる食物繊維の量はりんごよりはるかに多く、バナナの3倍ほどだということがわかりますね。

食後のデザートに取り入れ、食物繊維をたくさん摂りましょう。

4-3.おやつにおすすめの食品

一般的に食物繊維は食事から摂るものですが、十分に食物繊維が摂れているか不安な方は、おやつなどの間食に食物繊維を含む食品を選ぶのも一つの手です。

現在では糖や脂質の吸収を抑えてくれる「難消化性デキストリン」という、とうもろこしのでんぷんから作られた食物繊維が配合されているお菓子なども販売されています。

おやつを我慢せずに食物繊維も摂れるなんて、一石二鳥ですよね。

詳しくはこれからご説明していきましょう。

(1)チョコレート

カカオの実から作られるチョコレートにも食物繊維は含まれています。

「えっ、チョコレートにも食物繊維が入っているの?」

と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんね。

食物繊維が豊富な食材の一つであることで知られているさつまいもと比較してみると、実はミルクチョコレートの方が食物繊維の含有量は多いことが分かります。

食物繊維の含有量
(可食部100g当たり)
備考
ミルクチョコレート 3.9g 水溶性1.0g、不溶性2.9g
皮付きのまま蒸したさつまいも 3.8g 水溶性1.0g、不溶性2.8g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

意外なことにお菓子でも手軽に食物繊維を摂取することができるのですね。

[注意]
ホワイトチョコレートは原料が異なるため食物繊維の含有量は0.6gと低くなっています。

(2)アーモンド

アーモンドは総重量の1/10以上が食物繊維という、非常に食物繊維が豊富な食品の一つです。

100g当たりで比較すると、食物繊維が豊富に含まれていることで知られるごぼうの倍近い食物繊維が含まれています。

食物繊維の含有量
(可食部100g 当たり)
備考
アーモンド 11.0g 水溶性1.1g、不溶性10.0g
茹でたごぼう 6.1g 水溶性2.7g、不溶性3.4g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

「おやつにするなら甘いものが良い!」という方は周囲をチョコレートでコーティングしているアーモンドチョコレートを食べるのも良いかもしれませんね。

先ほど解説したとおり、チョコレート自体にも食物繊維は含まれているため、アーモンドチョコレートはおすすめのお菓子といえるでしょう。

食物繊維の含有量
(可食部100g当たり)
備考
アーモンドチョコレート 6.1g 水溶性0.9g、不溶性5.2g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

(3)ドライフルーツ

健康に良いおやつとして注目されているドライフルーツにも食物繊維がたっぷり含まれています

ドライフルーツにもさまざまな種類がありますよね。

いくつか具体的に例を見てみましょう。

食物繊維の含有量
(可食部100g当たり)
備考
干し柿 14.0g 水溶性1.3g、不溶性12.7g
ドライあんず 9.8g 水溶性4.3g、不溶性5.5g
ドライバナナ 7.0g 水溶性2.0g、不溶性5.0g
ドライマンゴー 6.4g 水溶性2.8g、不溶性3.6g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに執筆者作成

作業中などでも手軽に食べることのできるドライフルーツで、不足しがちな食物繊維を効率的に補うことができます。

(4)難消化性デキストリン入りのお菓子

「食物繊維がとれるおやつは魅力的だけど、少しでも太りにくい食べものがいいなあ……」

という方には、「難消化性デキストリン」が配合されたお菓子がおすすめです。

難消化性デキストリンは多くの方にとってはあまり馴染みがないものかもしれませんが、食物繊維の一種です。

難消化性デキストリンとは
食物繊維を気軽に摂れるようにするために、とうもろこしのでんぷんから作られた食物繊維です。

難消化性デキストリンには以下のようにさまざまな効果があります。

【難消化性デキストリンの主な効果】
  • ・腸内環境を整えるはたらき
  • ・食事後の血糖値の上昇を抑えるはたらき
  • ・食事後の中性脂肪の上昇を抑えるはたらき
  • ・中性脂肪やコレステロールを低下させるはたらき
  • ・内臓脂肪を減らすはたらき
  • ・ミネラルの吸収を促進するはたらき

健康のために食生活を見直そうと意気込むあまり、間食のお菓子を我慢してストレスを感じてしまった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

健康にさまざまなうれしい効果のある難消化性デキストリンが配合されたお菓子なら、一般的なものより罪悪感なく楽しめるかもしれませんね。

5.まとめ

食物繊維はお腹の調子をよくする整腸作用だけでなく、健康を維持するために欠かせないさまざまな効用のある成分です。

食物繊維が不足すると便通が悪くなるほか、生活習慣病にかかるリスクも上がってしまいます。

しかし日本人のほとんどは十分な量の食物繊維を摂れていません

日頃の食生活を一気に改善させることは難しいかもしれませんが、おかずを一品増やしてみたり、普段のデザートや間食を変えてみたりするだけで、食物繊維の摂取量を増やすことは可能です。

毎日の食事を少しずつ見直して食物繊維を十分に摂取し、健康な体を目指しましょう。