ポリフェノールとは?体への効果と摂取できる食品・飲み物を解説!

近年、「ポリフェノール」という言葉をよく見聞きするようになりました。

しかし、

「なんとなく体に良いってことは知っているけど結局なんなの?」
「よく考えたらどんな効果があるのか知らないかも……」

と、ポリフェノールについて気になる点があるという方も少なくないのではないでしょうか。

実際、ポリフェノールがどのようなものなのか、どんな効果があるのか、きちんと知る機会はあまりありませんよね。

この記事では、ポリフェノールがどのようなもので、私たちにどんな効果をもたらしてくれるのかをご説明します。

また、どのような食品にポリフェノールが含まれているのかもあわせてご紹介していきますよ。

1.ポリフェノールとは?

そもそもポリフェノールとはなんなのでしょうか。

「よく聞くけど、そういえばポリフェノールがどんなものか知らないかも……」

という方もいらっしゃるでしょう。

さまざまな食べ物や飲み物に含まれていると紹介されているのを目にする機会は少なくありませんが、具体的にどのような成分なのか知る機会はあまりありませんよね。

そこで、まずはポリフェノールとは一体どのようなものなのかご説明しましょう。

1-1.植物が生成する抗酸化物質

ポリフェノールは植物が光合成によって生成する抗酸化物質のことです。

紫外線や乾燥、害虫、塩分、周囲に生息する菌などのストレスから身を守るために生成されます。

ほとんど全ての植物に含まれていて、植物の色や苦味の元になっています。

[メモ]
例えばブドウの紫色やカレーなどに使われるスパイス「ウコン」の黄色などはポリフェノールに由来しています。

ポリフェノールのもつ抗酸化作用はヒトにも有用で、人間の体内で生成される「活性酸素」を取り除いてくれます。

活性酸素は体内の脂質を酸化させ過酸化脂質と呼ばれる物質に変えることで免疫機能の低下や老化を引き起こします

そのほか、動脈硬化の原因となったり、がんなどの疾患を招いたりする可能性があることも報告されています。

また、皮膚の脂質を酸化させてしみやしわの原因を作ることもあり、いわば健康や美容の大敵といえる物質です。

ポリフェノールにはこれらの活性酸素の悪影響を防ぐことが期待できるので、ポリフェノールを豊富に含む食品や飲み物を摂ることは健康や美容に良いといえるでしょう。

1-2.約8,000種類、さまざまな効果がある

ポリフェノールには、現在分かっているだけで8,000を超える種類があります。

お茶に含まれているカテキンや、大豆に含まれているイソフラボン、ブドウやブルーベリーに含まれるアントシアニンなどは皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。

実はカテキン、イソフラボン、アントシアニンなどはポリフェノールの分類の一つです。

さらに「カテキン」といっても一つの成分を指すわけではなく、緑茶に含まれているカテキンは8種類に分類されます。

非常にたくさんの種類があることが分かりますよね。

「これだけ色々な種類があったら、効果も違うんじゃない?」

と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。

実際に8,000種類の全てが同じ作用を持つということはなく、抗酸化作用以外の効果に関して研究が進められているポリフェノールも少なくありません。

例えばカテキンであれば抗菌作用、イソフラボンであれば女性ホルモンに似た作用、アントシアニンであれば視力の改善効果といった効果に注目が集まっています。

2.ポリフェノールを豊富に含む食品・飲料とその効果

ポリフェノールには非常にたくさんの種類があり、それぞれに効果も異なります。

「どんな食品にどんな効果を持つポリフェノールが含まれているの?」

というのが気になるところではないでしょうか。

ここでは、ポリフェノールを豊富に含む食べ物や飲み物と、その効果について解説していきます。

【ポリフェノールを豊富に含む食べ物・飲み物】

(1)赤ワイン

赤ワインはポリフェノールを豊富に含んでいると聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

その種類も豊富で、赤ワインに含まれているポリフェノールは明らかになっているだけで500種類以上にも上ります。

赤ワインのポリフェノールには心臓病のリスクを低下させる効果があることで知られています。

ポリフェノールの抗酸化作用が心臓病の原因となる動脈硬化を防いでいると考えられているのです。

[メモ]
一般的に動物性脂肪を摂りすぎると心臓病になりやすいとされていますが、ヨーロッパ各国での動物性脂肪の摂取量と心臓病の死亡率の関係を見ると、赤ワインをたくさん飲むフランスの人々は、動物性脂肪を多量に摂取しているにもかかわらず心臓病での死亡率が低いことが分かりました。
これは赤ワインに含まれるポリフェノールが理由ではないかと推定されています。

こうした赤ワインの抗酸化作用は「フレンチ・パラドックス」と呼ばれています。この語は、一言でいうと「心臓病のリスクが高い食生活を送っているはずのフランス人が、他の国よりも心臓病で亡くなる割合が低い」という一見して「パラドックス」=矛盾に見える事実のことを指しているのです。

ただし、アルコールにはさまざまな健康のリスクも付いて回ります

多く飲んだからといって健康が促進されるものではないことには十分に留意してくださいね。

(2)コーヒー

コーヒーにもポリフェノールが豊富に含まれており、代表的なものとしては「クロロゲン酸類」と呼ばれるものが挙げられます。

コーヒーの褐色や苦味、香りの元はこのクロロゲン酸類です。

クロロゲン酸類には抗酸化作用のほか、以下のようにさまざまな効果があることが分かっています。

【クロロゲン酸類の効果】
  • ・血糖値の上昇を抑制する作用
  • ・血圧改善作用
  • ・発がんを抑える作用
  • ・脂肪の吸収を抑える作用

普段の生活で口にすることが多いコーヒーには、このように体に嬉しいたくさんの効果があるのですね。

(3)緑茶

緑茶に含まれる「カテキン」という成分の名前を聞いたことがあるという方は多いのではないでしょうか。

カテキンは緑茶の渋みの元となっているポリフェノールで、全部で8種類存在します。

カテキンには以下のとおりさまざまな効果があることが分かっています。

【カテキンのさまざまな作用】
  • ・抗酸化作用
  • ・抗菌・殺菌作用
  • ・抗ウイルス作用
  • ・コレステロール低減作用
  • ・体脂肪低減作用
  • ・抗アレルギー効果
  • ・むし歯に対する効果

身近な飲み物である緑茶に、これだけさまざまな効果があるなんて驚きですよね。

カテキンによる効果を期待した健康食品やサプリメントなどを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

普段ジュースなどを飲んでいるという方は緑茶に変えてみるだけで体に嬉しいいろいろな効果が得られるかもしれませんよ。

(4)紅茶

紅茶の赤い色や渋みはポリフェノールによるものです。

紅茶のポリフェノールは強い抗菌効果があることで知られています。

紅茶の原料も緑茶と同じ「チャノキ」と呼ばれる植物の葉です。

「あの赤い色や渋みはどうやって作られるの?」

と疑問に思う方もいるかもしれませんね。

紅茶の赤い色や渋みの元となるポリフェノールは実はカテキンが化学反応を起こしたものです。

紅茶を製造する際には葉を摘んでから萎れて柔らかくなるまで置いておき、その後に葉を揉むという工程があります。

揉まれることによって葉の中の細胞が壊れると、カテキン同士が酵素によって酸化させられ、カテキン類が複数結合した「テアフラビン」や「テアルビジン」になります。

これが紅茶ポリフェノールの正体です。

テアフラビンにはむし歯菌に対する抑制作用や抗菌作用があるとされています。

また、紅茶のポリフェノールにはインフルエンザウイルスの感染力を奪う作用があるといわれており、マウスを用いた動物試験においてはインフルエンザ予防の効果も報告されています*1。

冬の寒い時期ホッと一息つきたいときには紅茶を飲めばインフルエンザ予防にもなって一石二鳥かもしれませんね。

ただしミルクティーにするとポリフェノールが牛乳のたんぱく質に取り込まれて感染力を奪う作用がなくなってしまうため注意しましょう。

ストレートやレモンティーで楽しむのがおすすめです。

*1 中山 幹男, 戸田 眞佐子, 大久保 幸枝, 原 征彦, 島村 忠勝「紅茶エキスによるインフルエンザウイルス感染性の阻止 in vivoにおける検討」(『感染症学雑誌』1994年68巻7号)

(5)チョコレート、ココア

チョコレートやココアの原料であるカカオにもポリフェノールが豊富に含まれています

カカオに含まれるポリフェノールは主に「フラバノール」や「プロシアニジン類」と呼ばれるものです。

フラバノールは心血管系の機能を健康に保つ作用があるとして注目を集めています。

また、フラバノールにはストレスを軽減したり認知機能を改善したりする効果が報告されています*2。

特にカカオの含有量が多いビターチョコレート(ブラックチョコレート)や純ココアはフラバノールの含有量が多いと考えられるでしょう。

おやつにはチョコレートを食べてポリフェノールを摂っておきたいですね。

*2  Georgina E. Crichton, Merrill F. Elias「Chocolate intake is associated with better cognitive function: The Maine-Syracuse Longitudinal Study」(『Appetite』2016, 100, 126-132)

(6)大豆

大豆もポリフェノールが豊富な食品の一つです。

「イソフラボン」という成分について耳にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

実はあのイソフラボン類もポリフェノールの一種です。

大豆由来のイソフラボンは女性ホルモンの「エストロゲン」に構造が似ているため、似たようなはたらきをすることで知られています。

エストロゲンは肌や髪の潤いを守ったり脳や自律神経にはたらきかけたりして女性の健康に大きく関わっている物質の一つです。

エストロゲンの分泌量は20〜30歳代をピークに歳を取るにつれて下がっていき、更年期にはホルモンバランスが崩れることによってさまざまな症状が発生します。

大豆に含まれるイソフラボン類は、のぼせ・ほてりといった更年期障害の症状の軽減に効果があるとされています。

[メモ]
イソフラボン類は大豆以外の食品にも含まれていますが、大豆とその他の食品に含まれるイソフラボン類は組成が異なるため効果も異なると考えられています。

(7)そば

実はそばにもポリフェノールが豊富に含まれています。

そばの材料であるそばの実には「ルチン」というポリフェノールが豊富です。

特に「韃靼(だったん)そば」と呼ばれる品種には一般的なそばの100倍以上のルチンが含まれているとされています。

ルチンには抗酸化作用のほか、高血圧を予防したり、毛細血管を強くしたりする作用があるといわれています。

高血圧や毛細血管の衰えはさまざまな疾患を引き起こす可能性があります。そのため、ルチンを摂取していれば、高血圧や毛細血管の衰えによって引き起こされる疾患の予防効果も期待できるかもしれませんね。

[参考]
高血圧については、詳しくは「高血圧は自分で改善できる?日常生活で簡単に実践できる方法12選」の記事をご覧ください。

(8)ショウガ

ショウガも、ポリフェノールが多く含まれる食品の一つです。

ショウガには独特の辛味成分があり、食べるとポカポカ温かく感じられますよね。

胃を丈夫にしてはたらきを助けたり、体を温めて冷えを取ったりする作用があるとして古くから漢方薬としても使われてきました。

これらのショウガの作用は「ショウガオール」「ジンゲロール」「ジンゲロン」と呼ばれる3種類のポリフェノールによるものです。

ショウガオール、ジンゲロール、ジンゲロンは温かさを感じる神経を刺激する作用を持っているため、脳は「温かい」と錯覚して体の温度を下げます。

そして、血行を良くしたり汗をかいたりする機能をはたらかせます

冷え性にお悩みの方にとってはショウガは積極的に摂取したい食べ物だといえますね。

また、ジンゲロールには血行促進作用のほか、殺菌作用があるとされています。

「ショウガは風邪に効く」などと聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

ショウガに含まれるポリフェノールの作用が「ショウガは風邪に良い」とされる理由の一つかもしれません。

(9)ブルーベリー

ブルーベリーは「アントシアニン」というポリフェノールを豊富に含んでいます

アントシアニンはブルーベリーの果皮の濃い青紫色の色素成分で、そのほかブドウやムラサキイモ、ナスなど、紫色の植物に広く含まれているものです。

「ブルーベリーは目にいい」と聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、これはアントシアニンの効果によるものだとされています。

視覚情報は光を受けると目の中にあるロドプシンという成分が分解され、光の情報を脳に電気信号として伝えることで処理されています。

このロドプシンは再合成されることで元の状態に戻るのですが、再合成が遅れて目がぼやけることがあります。

アントシアニンにはロドプシンの再合成を促進するはたらきがあるのです。

特にブルーベリーの一種である「ビルベリー」はアントシアニンの含有量が多く、視力改善の効果をうたうサプリメントの原料としてよく使われています。

[メモ]
ブルーベリーには、その他にもさまざまな健康に良い効果が期待できます。凍結乾燥ブルーベリーの摂取によって血圧が改善されたという研究結果*3や、ブルーベリーパウダーの摂取によって血糖値を一定に保つはたらきを持つホルモン「インスリン」に対する感受性が改善したという研究結果*4も報告されています。
*3 Arpita Basu, Mei Du, Misti J. Leyva, Karah Sanchez, Nancy M. Betts, Mingyuan Wu, Christopher E. Aston, and Timothy J. Lyons「Blueberries Decrease Cardiovascular Risk Factors in Obese Men and Women with Metabolic Syndrome」(『THE JOURNAL OF NUTRITION』2010, 140, 9, 1582-1587)
*4  April J. Stull, Katherine C. Cash, William D. Johnson, Catherine M. Champagne, and William T. Cefalu「Bioactives in Blueberries Improve Insulin Sensitivity in Obese, Insulin-Resistant Men and Women」(『THE JOURNAL OF NUTRITION』2010, 140, 10, 1764-1768)

(10)カリン

カリンもポリフェノールの含有量が多い果物です。

カリンのポリフェノールには抗酸化作用のほか、細胞レベルの試験においてインフルエンザウイルスの感染を抑制する成分が含まれていることが報告されています*3。

また、カリンは喉に良いということを聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう

実際に、カリンに含まれるポリフェノールとは別の成分が喉の炎症に対して有効な可能性があるという研究も進められています*4。

といってもスーパーなどで売られていることはほとんどなく、カリンの実を直接目にするケースはレアですよね。

生のカリンは果肉が硬く強い渋みがあるためそのままでは食べることができず、有効成分を摂取するためには加工が必要になります。

カリンを楽しむなら砂糖漬け・はちみつ漬け・カリン酒などの加工品が良いでしょう。

*3 黒田 玲子、佐々木 裕、西川 智子、黒田 和道、桜井 孝治、山本 樹生、清水 一史「カリン中ポリフェノール画分による新型インフルエンザウイルスの感染抑制効果」(『日本食品科学工学会誌』2012年58巻10号, 496-498)
*4 大澤謙二、安田英之、森田博史、竹谷孝一、糸川秀治「カリン (Chaenomeles sinensis) 果実より単離されたトリテルペン及び β-sitosterol の抗菌活性及び抗溶血活性」(『生薬學雜誌』1997年51巻4号, 365-367)

3.まとめ

近年、ワインやコーヒー・紅茶、チョコレートなどのポリフェノールを豊富に含んでいる食べ物・飲み物が注目を集めています。

ポリフェノールは紫外線などのストレスに負けないよう植物が生み出す物質で、食品の色や味の元にもなっています。

ポリフェノールが体に良いとされる理由としては、まず活性酸素を取り除く「抗酸化作用」が挙げられるでしょう。

活性酸素はしみやシワ、老化、動脈硬化などの生活習慣病、がん、免疫力の低下などの要因の一つとされています。

そのため、抗酸化作用のあるポリフェノールを豊富に含む飲み物・食べ物を摂取すると美容や健康につながると考えられるのです。

また、ポリフェノールは現在分かっているだけでも8,000種類を超えており、種類によって異なる効果も報告されています

例えば緑茶に含まれるカテキンには抗菌作用があり、大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンに似たはたらきを持つとして知られています。

ポリフェノールが持つ多くの健康効果を得るために、さまざまな食品をバランス良く摂取してみてくださいね。