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小梅ちゃん「初恋すとおりい」

第5話

秋には正式に婚約する真。
せめて元気でいることだけは伝えたいと、小梅は切に思いました。
そして、「元気にしております」とひとこと手紙にしたため、あの住所へと送ったのでした。
そのささやかな想いは水面に投げた小石のごとく、波紋を広げることになったのです。

中略

(真から返事をもらい)小梅は、再び手紙を書こうかどうか悩みました。
真様には大切な学業と美智代様とのご婚約の予定がある。
心の中でお別れを告げたあの梅春の寒い日が、とても遠い日のように感じられました。
真から離れた町で暮らすことで、小梅は淡い初恋に終止符を打ちたいと思っていました。

中略

東京では、美智代が結納式を延期したいと言い出したことでちょっとした騒ぎになっていました。

中略

美智代は両親に、みんな正直に生きるべきだと伝えました。
そのために、三人は苦しんでいるのだと。

中略

真は悩みました。
どちらの女性を選ぶかということではなく、自分自身の生き方、将来について、今こそ真剣に自分に問う時期でした。
真の心は決まっていました。
美智代の勇気ある提案に、真は感謝していたのです。
それは真に決断するきっかけを与えました。

この物語は近代出版社刊「小梅ちゃん 初恋すとおりい」(林静一著)に収録の「小梅恋物語」(吉元由美著)を抜粋して掲載しております。原作からの<中略>箇所は中略を用いて表示しております。