夏ともなれば、アイスはもはや「必需品」と呼ぶにふさわしい定番商品である。一方で、肌寒くなった時期にも、いかに夏場と変わらぬような需要を喚起できるか。ここにこそ、アイスメーカー各社の知恵と実力が問われることになる。入社4年目、当時現場営業の最前線にいた彼女の取引先はスーパーや卸店。それらに対して、季節に合わせた商品や陳列方法をタイムリーに提案することが、重要なミッションであった。「もちろん、“今シーズンはこの商品に力を入れていこう”といった会社の方針はありますが、それをいかに実現させるかの戦略は、個々の営業担当者が自由に組み立てられます。まさに、自分なりの発想でお客様の売場を毎月変えることができる、とてもやり甲斐ある仕事なんです」。その言葉を、彼女は見事に実践した。季節は秋。ハロウィンシーズンに合わせて、クランキーアイスバー・ザクリッチなどのアイスと、コアラのマーチのキャラクターとをタイアップした売場展開を企画・提案。その結果、新鮮な企画に高い評価を得ることができた。また、ハロウィンらしいPOPを手描きして店内に装飾を施すなど、いかにも「女性ならでは」の細やかな気配りで売場を引き立てた。最終的に猛暑の影響もあり、企画を実行した量販店全体の売上は過去最高を記録した。ちなみに、アイスと菓子はロッテグループ内でも営業部隊が異なる。アイスは冷凍スペースがないと販売できないため、菓子の売場とはまったく違う。だからこそ、アイスと菓子をコラボレーションさせる企画は、菓子の営業担当者や店舗全体を巻き込んでの商談となる。簡単に実現できることではなかった。しかし、彼女は文字通り「自分にしかできない」仕事にチャレンジし、大いなる成功を収めた訳だ。

顧客に対する商品や売場の提案だけが、ロッテアイスの、営業の役目ではない。卸店と予算に関するタフな交渉をすることもあれば、重いドライアイスと商品が詰まったケースを持ち運ぶこともある。さらに、西東京~山梨エリアを担当する彼女にとっては、取引先の店舗回りをするため、往復200kmの道のりを自らハンドルを握って運転することも日常茶飯事だった。こうした環境ゆえであろうか。アイスの営業は「男性の仕事」とのイメージが、取引先には何となくあった。でも「女性だから多少は大目に…」といった甘えは、彼女には微塵もなかった。むしろ、得意先には「女性だから、という目では見ないでください」と日頃から伝えていた。「商品の違いや性別の違いではなく、私自身の仕事そのものを評価してほしい。この思いを原動力にして、諦めず頑張りつづけることを常に心がけています。もっとも、ひどい渋滞にハマッても“これは話のきっかけになるかも”なんて考えていましたから、私はいつでも前向きでいられるのかもしれません(笑)」。そんな彼女の営業経験は、営業統轄部に異動したいま、存分に発揮されている。現在、店頭で使用される販促資材の制作を担当している彼女。常に心がけていることは「現場経験を活かし、営業目線で考える」ことだという。実際に彼女が秋冬商品のために作成したのぼり(旗)型の資材に、その姿勢は表れている。一般的にアイス売場は、上から見渡せる高さで商品が一面に広がっていることが多い。そのため、背の高いのぼりはよく目立つ。店頭でのアピールによって、商品の売上アップはもちろん、営業社員のモチベーションアップにも繋がるように…という彼女の思いが形となった資材である。結果として、「持ち運びに便利で店頭で目立つ」と、全国の営業社員からは好評の声が数多く寄せられた。
どんな場所でも、女性らしい、しなやかな感性とたくましさで、今日も彼女は新しい可能性を切りひらいていく。

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