研究室には、新商品開発に取り組む研究室から工場や本社に至るまで、色々な部署から分析依頼が殺到する。その内容も実に多種多様だ。ある時は「新製品の栄養成分表示に含まれるたんぱく質の値が正しいか確認してほしい」。またある時は「原材料の安全性を評価してほしい」。分析対象も分析法も様々な依頼が次々と寄せられる。その中で、研究テーマの吟味や目標設定、役割分担や部下の育成計画、分析機器の導入計画などについて、グループリーダーと意見交換しながら研究の管理を進めていくのが、彼女の日常業務である。室長に就任して間もない頃は、「この分析を担当させたら彼は不満に感じないだろうか」と心配したり、メンバーの出した結果が妥当かの判断に迷った時は、こっそり過去のデータや文献値を調べてみたりと、室長として試行錯誤の日々を送っていた。だが、「理想の研究室を作りたい」との意欲に燃え、「これからは、もっと積極的に情報発信する研究室にしていきたいと考えています。たとえば、ただ依頼された組成分析を行うだけでなく、品質向上のために製造工程や配合の改善などを開発系研究室に提案するとか」と自身の思いを語っていた。実際に、開発系研究室と共同で仕事をする機会はいままで以上に増え、それがメンバーたちのモチベーションアップにも繋がっているという。「メンバーたちと一緒に進める研究室改革」は、着実に実を結んでいる。

管理職として忙しい毎日を過ごす彼女は、主婦としての顔も併せ持っている。夫の転勤に伴い通勤時間が2時間強に伸びてしまったこともあり、午前4時半には起床して、朝食の準備に取り掛かる。そして、夜は夕食の支度のため、なるべく残業はせずに帰宅する。室長と主婦の両立は、何ともハードで至難の業だ。しかし、彼女には疲れた様子は不思議と見受けられない。「夫が家事を分担してくれますし、献立は1週間分を予め決めておいて作り置きするなど、効率よく料理できるように心掛けていますから。むしろ、家事をしている時には仕事をすっぱり忘れられて、それが良い切り替えになっているのかもしれません」。ちなみに、彼女は仕事と主婦業の傍らで、週1回の英会話教室と生け花教室に10年以上通い続けている。なんと生け花は師範の資格を持つ腕前である。オンとオフの両立を、彼女は驚くべきバランスで達成させている。「家が遠いこともあり、他の上司みたいに部下とお酒を飲んでストレス発散とはなかなかいきません。そのため、理想的な室長を実践できているのかはわかりません。その目標を、今必死になって追いかけているところです」。そう話す彼女ではあるが、室長としての生活と主婦としての生活が両方とも大いに充実していることはおそらく間違いない。メンバーたちの楽しげに分析に励む姿を見れば一目瞭然だ。ロッテ中央研究所には、人生を2倍満喫している室長がいる。

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