当時は、かつて例のないような大胆な配属だった。大学を卒業したての新人が法務担当に。法務部門とは企業間の契約ごと全般を司る、極めて強い責任感と高度な専門知識が求められるセクションである。いかにゼミで会社法を専攻した彼をもってしても「最初は右も左もわからない状態だった」のは、無理もない話だった。しかし、このような状況にあっても、ロッテでは新人を“お客様扱い”することはない。さまざまな部署・事業部門から寄せられる契約書作成の依頼や法律相談といった業務が、キャリアに関係なくどんどん割り振られていく。彼の場合、入社半年後には、ある設備メンテナンス会社との契約交渉を主担当として任されることになった。一般的に、この手の交渉は契約書ベースでやり取りされる。ところが、今回の案件では、何かトラブルがあった際のリスク分担の線引きでなかなか両者折り合えない状況にあった。そこで、先方担当者が「ぜひ、直に会って交渉したい」と要望。もちろん、こうした事態は彼にとって初めての経験である。そこで上司に相談すると「やってみろ。お前ならできる」。その叱咤激励に後押しされ、工場に足を運び想定されうるリスクを徹底的にリサーチする、あるいは民法の規定を細部まで読み込み理論武装するなど、これ以上ない入念な準備を整えて交渉に臨んだのであった。

結果、ロッテとしても設備メンテナンス会社としても十分に満足できる内容で無事に契約を締結。企業対企業のシビアな交渉を、冷静な判断とロジカルな思考で見事、自らコントロールしたのであった。「このように、法務の仕事とはどれもケースバイケース、常に未体験の連続です。法令は絶えず改定されますし、新しい判例も続々と生まれます。したがって、いつまでも永遠に勉強し続けなければならないのです。本当に奥が深い、ある意味で過酷な世界だと思います」。そう語る彼ではあるが、次々と立ちはだかるハードルを楽しんでいる感がある。「だって、若いうちに白紙の状態で勉強できるチャンスを与えられたというのは、とてもラッキーなことではありませんか」。ゆくゆくは国際法務にもチャレンジしたい。誰からも信頼される法務パーソンになる。彼は数々の目標を思い描いている。だからこそ、一瞬たりともムダにせず、どんなことでも貪欲に吸収したい、何でも経験したい、と考え実践している。入社後にビジネス実務法務検定準1級の資格を取得したのも、その実証例のひとつだ。現在はさらなる高みを目指し、司法試験合格も視野に入れ、勉強している。そんな彼はいま、一歩一歩着実に成長し続けている。

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