商品開発部門が企画した新製品を、中央研究所が研究・開発した製法に基づき、工場の設備担当者が製造ラインで実現させていく。このとき、間に立って製造工程をチェックし、製造条件や改良方法を考えるのが生産技術課の重要な役割のひとつである。
研究所がg(グラム)単位で手づくりしているものを、工場においてt(トン)単位で量産するのは全くスケールが異なる。また、夏でも冬でも同じサイズ・味・品質の菓子をつくり続けることは極めて難易度が高い。要するに、研究所で画期的な製品を発明するのと同じぐらいに、年間通じて均一のモノを製造する生産技術を確立させることは非常に創造的な作業である、ということだ。
たとえば彼が入社1年目に担当した、ロッテで初となる三層ガムの工場への導入も、ことごとくが未知の領域だった。研究所レベルでは可能であった異なる物性の成分を三層にまとめる工程も、工場で再現しようとするとまるでカタチにならない。そのため材料をミキシングする時間も、成形のための加熱温度も、あらゆる条件設定をゼロベースで見直した。製造設備を設計する機械の担当者や日々のオペレーションを受け持つ生産の担当者などとも夜通し議論し、トライ&エラーを繰り返した。そして、そんな彼の試行錯誤を、上司は「とにかくチャレンジしてみろ」と力強く後押しした。
結果、工場での最適な三層ガムの製造条件の確立が出来たのは生産の1週間前のこと。これだけ苦心を重ねたからこそ、新製品が無事、店頭に並べられる様子を目の当たりにできた瞬間は涙がでるほどうれしかった。苦労を乗り越えた者だけが味わえる、このうえない感動と達成感。入社ほどなくして、彼はそれを体験したのである。

つい先ごろ、彼がメイン担当を任されたガムの新製品の工場導入もまた、何もかもがチャレンジの連続だった。まず、通常の粒ガムの約1/3のサイズであることが商品の特色であるが、この小ささ自体がロッテにとってほぼ前例のない試み。それでありながら、成分の配合を工夫することにより通常サイズと同じ味・食感を楽しめる点も、画期的といえる製品特性のひとつである。
あえて繰り返すまでもないが、このような新製品を開発する際、中央研究所では成分配合や品質に関して大きな思い入れと自信をもっている。一方で、工場サイドはこうした研究所の思いを真正面から受けとめ、期待にたがわぬ製品をつくり上げるべく全力を注ぐ。既存のラインで求められる品質を再現できるだろうか。もし難しいようであれば、新規機械を導入する必要があるかもしれない。それこそ、ありったけの知恵を絞って、対策を練る。ひとつの新製品を生み出すということは、関連部署が一体となって手を携える、文字通りの「団体戦」。そのチームの中で、メンバー間の架け橋となることが生産技術にとっての使命なのだ。
「したがって、中央研究所の人たちと一緒になって物性や配合の詳細を検討する一方で、設備担当者と既存設備の有効活用について話し合うことも、生産オペレーターが働きやすい作業手順を考えることも、私たちにとっては重要な業務です。それだけ幅広い知識が求められる役割ともいえます。ただ、いくら知識が深くても、それだけで全く新しい製品の量産化を実現できるわけではありません。最終的にカギを握るのは、モノづくりに対するあくなき好奇心や探求心です。もっと良いモノをつくりたい。この情熱が周囲を巻き込み、ベストな生産体制を確立することにつながる。そう信じています」。
みなさんも今度食べるときは、ぜひ心して味わってほしい。いつでも変わらぬおいしさが楽しめるロッテの製品群、そのひとつひとつには彼らの努力と知恵と情熱が、ギュッと凝縮されているのだ。

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