カカオについて

カカオ(学名:Theobroma cacao L.)は、南米原産のアオイ科に属する常緑の熱帯植物(フルーツ)で、世界中でチョコレートの原料として広く知られています。
「Theobroma(テオブロマ)」はギリシャ語で「神々の食べ物」を意味し、カカオが古代文明で非常に重要な役割を果たしていたことを示しています。今日では、チョコレートは手軽に楽しめる食品ですが、古くは価値が非常に高く、特別な人々だけが食べることのできた貴重なものでした。

About Cocoa

植物としての
特徴

栽培適地

カカオは、主に赤道周辺の熱帯地域で栽培されます。カカオの栽培に適した地帯は「カカオベルト」と呼ばれ、赤道南北20度の地域を指します。

カカオの木

カカオの木は7〜10メートルにまで成長し、光沢のある緑色の葉をつけます。カカオの実(カカオポッド)は木の幹に直接実るのが特徴です。

カカオの実

カカオの実は、外側が硬い皮で覆われており、色は未熟時は緑色で、熟すと茶色、黄色、赤色などの色に変化します。ポッドを開けると、内部には白い果肉があります。果肉はそのまま食べることができ、甘酸っぱくフルーティな味わいです。

カカオの豆

白い果肉の中には種(カカオ豆)が多数含まれており、その果肉とともに発酵・乾燥させることで、香り高いチョコレートの原料となるカカオ豆が出来上がります。

収穫

カカオの木や幹になった完熟したカカオの実を、手でもいだり、ハサミを使用して丁寧に収穫します。

取り出し

こん棒などを使ってカカオの実を割り、白い果肉と共にカカオ豆を取り出します。

発酵

取り出したカカオ豆をバナナなどの葉で包んで数日間発酵させます。

乾燥

発酵が終わったカカオ豆をすのこの上に広げて、天日で乾燥させます。

カカオ農園の様子

チョコレートが
できるまで

ロッテにカカオ豆が届いた後、おいしいチョコレートをお届けするために、一つひとつの工程にこだわって製品を作り上げています。

カカオ豆の選別

良質なカカオ豆のみを選び出して使います。

ロースト

カカオ豆をローストする(炒る)と、豊かな香りが生まれます。

分離

カカオ豆を砕いてカカオハスク(カカオ豆の皮)を取り除きます。皮を取り除いた後の中心部をカカオニブといいます。

磨砕

カカオニブをすり潰してドロドロのペースト状にします。これをカカオマスといいます。

混合

カカオマスと乳原料、砂糖、ココアバターをミキサーでよくかき混ぜます。

微粒化

5本のローラーで細かく潰し、舌触りよくなめらかにします。

コンチング

長時間ゆっくりと練り上げて、口どけのよさと風味をつくりだします。

調温・成型

温度を調節した後、チョコレートを型に入れます。

冷却・型抜き

クーラーの中でゆっくりと冷やして固めた後、型からはずします。

カカオハスクの
活用

カカオハスクとは、カカオ豆の外皮を指します。チョコレートの製造過程で生じるカカオハスクはそのまま食べることはできませんが、ロッテではこれを廃棄せずにアップサイクルする取り組みを行っています。カカオの優しく温もりのある色合いやほのかな香りを活かしたアイテムを生み出し、資源を無駄なく活用しています。