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サステナビリティトップ

代表取締役社長 中島 英樹
株式会社ロッテ
代表取締役社長執行役員
中島 英樹

有事へのレジリエンスとしての 「持続可能な調達」

昨今、事業環境の不確実性はますます高まっています。特に足元で起きているホルムズ海峡をめぐる地政学的な緊張は、ナフサの供給不安や価格の高騰を引き起こし、様々な産業のサプライチェーンに多大な影響を及ぼしており、当社も例外ではありません。このような激動の時代において、当社が推進している「持続可能な調達」の取り組みは、人権や環境におけるリスク対策のみならず、菓子やアイスを安定的にお客様にお届けし続けるための「有事へのレジリエンス」であると再定義しています。
主力事業であるチョコレートに欠かせないカカオ豆については、西アフリカでの不作等に伴う歴史的な相場高騰に見舞われました。しかし、私たちがこれまで長年続けてきた児童労働の撤廃、森林減少の防止、そして生産性を高めるための営農指導といった支援活動を行ってきた地域では、不作の影響が相対的に少なかったという現地からの報告もあります。これはまさに、私たちが取り組んできたサステナビリティ活動が、有事のレジリエンスとして有効であったという確かな手応えです。今後はこの支援地域をさらに拡大させるとともに、調達地の多角化によるリスク分散なども進めてまいります。また、冒頭で触れたナフサの供給不安に対しても、現在検討を進めているパッケージの脱プラスチックや環境配慮型素材への移行が、結果として化石資源への依存を減らし、地政学リスクへの対応につながると考えています。
これらの「持続可能な調達」の取り組みは、カカオ豆以外の原材料にも拡大しつつあります。「雪見だいふく」に使用しているもち米や、「のど飴」に使用しているカリン、ガムに使用する天然チクルなどの原材料において、生産地の抱える課題に、その地域とともに取り組むプロジェクトも進めています。これらの取り組みは、不確実な外部環境の変化に左右されない強靭な事業基盤の構築に直結するものです。私たちは今後も歩みを止めることなく、この取り組みを加速させてまいります。

「噛むこと」の価値を探求し 社会へ拡げていく

私たちのコーポレートメッセージである「お口の恋人」には、「永遠に愛される存在になるために、これから先も『愛』を届ける」という強い想いが込められています。2023年に策定したパーパスが「しあわせな未来をつくる。」という言葉で結ばれているのも、この想いを体現するものです。「しあわせな未来」という言葉には、持続可能な地球と社会、そしてそこで暮らす人々の豊かなくらしに貢献するという私たちの決意が表れています。
そして、そのための最もロッテらしいアプローチが「噛むこと」の普及による人々の心身の健康への貢献です。昨年、当社はこれまでの研究成果をもとに、ガムを使用した口腔健康プログラムが将来的な介護費の抑制に寄与するという推計結果を発表しました。「噛むこと」の価値を探求し社会へ拡げていくことは、人々の健康寿命を延ばし、社会課題解決に貢献するという大きな社会的意義を持っています。実は私自身も90歳になる両親の健康を願い、いつまでもお口の健康を維持し続けてほしいという想いから、定期的にガムを送り続けています。
こうした「噛むこと」の価値を社会へ実装していくため、今年から「チューイング改革プロジェクト」を部門横断で発足させました。関連する知見やエビデンスを一元化し、社内外へその価値を積極的に発信していく活動を進めていきます。「噛むこと」の重要性は多くの企業や団体から共感を得ているほか、市民の健康保持増進を目指す20以上の自治体とも連携協定を締結しています。「噛むこと」の普及による人々の心身の健康への貢献を、会社全体で一層力強く推進していきたいと考えています。

誰もが自分らしく能力を発揮できる 組織風土づくり

これらの取り組みを実行し、持続可能な成長を実現するための最大の推進力は「人財」にほかなりません。私は従業員エンゲージメントを重要な経営指標と捉え、従業員のみなさんの声から目を背けず、真摯に向き合い改善していくことをお約束してきました。2025年度は従業員エンゲージメントスコアに確かな向上の兆しがみられ、社内のポジティブな変化を私自身も肌で感じています。先日、社外の方から「ロッテは社員同士の仲が本当にいいですね」というお言葉をいただき、大変嬉しく思いました。これは、多様な働き方の実現に向けた制度拡充や女性活躍の推進、男性の育児休業取得の促進をはじめ、LGBTQ+などあらゆる個性を尊重するダイバーシティ推進など、誰もが自分らしく能力を発揮できる組織風土づくりに地道に取り組んできたことが、着実に実を結び始めた証だと捉えています。
また、社会とつながりを持つことも企業にとっては非常に重要です。2025年は私自身が食育講師として実際に教壇に立ち、小学生に対して授業をする機会を持ちました。現場で子どもたちと対話する中で、私たちの事業は、世代を超えて共通の話題となる貴重なものだと改めて感じました。また、日々の業務とは異なる視点から、自社の事業が社会に与える影響の大きさと、商品の持つ真の価値を再認識することができました。現在の業務を継続しながら出張授業を行う食育兼任講師は、自分たちの仕事の意義や商品の価値を改めて実感できる非常に良い機会です。ぜひ多くの従業員に挑戦してみてほしいと願っています。
今後も社会と接点を持ちながら、ステークホルダーの皆さまとともに持続可能な成長と企業価値の向上に挑戦していきます。引き続き、皆さまのご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

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