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発売当初から大きく変わった甘みの質
※中身の写真はZERO<くちどけショコラ>です

ロッテのおいしさの秘密を探る「探検 お菓子の原材料」では、前回に引き続き、砂糖ゼロ・糖類ゼロのゼロチョコレート(ZERO)を取り上げます。シュガーレスでありながら、甘く、コクが感じられるのはなぜなのか。その理由をお届けします。

発売当初から大きく変わった“甘みの質”

ゼロチョコレートが誕生したのは今から30年近く前のこと。シュガーフリーでありながらも、ガーナのような甘さとコクのあるチョコレート目指して開発されました。

一般的なミルクチョコレートの場合、通常ミルクの甘さやコクを付与するための乳糖などの糖類が含まれる乳原料が必要です。その一方で、シュガーフリーを訴求するには、砂糖だけでなく、乳糖などをはじめとした糖類をゼロにすることが必要でした。ロッテはその大きな課題に取り組み、独自の“粉乳加工技術”を開発。ゼロチョコレート用の乳原料を生み出すことに成功しました。

前回は、このゼロチョコレート用の乳原料とその加工技術についてお伝えしました。今回は、ゼロチョコレートが砂糖ゼロ・糖類ゼロでもしっかりとした甘さを感じられるもう一つの要素、糖アルコールと甘味料についてお届けします。

糖アルコールとは、糖質の一部に水素を添加してできた物質の総称。糖アルコールに変化することで、「消化・吸収されにくい」「カロリーが低い」「おなかが緩くなりやすい」などの特徴が生じます。栄養成分表示では糖質に含まれます。そのため、ゼロチョコレートは糖類ゼロながら糖質ゼロにはなりません。

ZEROシリーズは糖類ゼロ

「ロッテがこれまで展開してきたシュガーレスガムやキャンディの甘みは、糖アルコールがベース。ガム事業を牽引(けんいん)するロッテは、シュガーフリー商品の開発にもいち早く取り組んできました。そうした糖アルコールの知見をゼロチョコレートに生かした形です」(中央研究所 チョコ・ビス研究部 チョコレート研究課・齋藤圭祐・以下同)

ゼロチョコレートでは、マルチトールとラクチトールといった糖アルコールと数種類の甘味料を使用しています。糖アルコールだけでなく、そのほかの甘味料を使うのは、より自然の甘さに近づけるため。糖アルコールだけでは甘みが砂糖に比べ穏やかであることから、砂糖の何百倍とも言われる糖感度の高い甘味料を加えて調整しているのです。

「シュガーフリーであっても、しっかり甘みが感じられるおいしいチョコレートを作るには、どういった糖アルコールや甘味料を用いるべきなのか、1パーセントに満たない単位まで様々に組み合わせ、甘みの質を追求してきました。そうしてたどり着いたのが、糖アルコールのマルチトールとラクチトールをベースに、アスパルテームやスクラロースといった高感度の甘味料を加える構成です。ほかの原料とのバランスを考えても、この2種類の糖アルコールをベースにすることが適正だと判断しました」

糖アルコールと甘味料の種類、また、配合のバランスは、1996年の発売当初から大きく変わっています。ゼロチョコレートを久しぶりに口にした方は、“甘みの質の違い”にも驚くはずです。

「毎年毎年、試行錯誤を繰り返し、よりおいしいチョコレートを目指してきました。ゼロチョコレートの歴代開発者は、常に前任者を超えるつもりで改良品づくりに励んでいます。ゼロチョコレートというのは、過去から現在に至るまで開発に携わった全員の情熱を集結させ、生み出している商品だと自負しています」

上段左から「ゼロ」「ゼロ<ビター>」「ゼロ シュガーフリーチョコレートクリスプ」「ゼロ シュガーフリーチョコレート」「ゼロ チョコレート<袋>」
※食品表示基準に基づき、糖類0.5g未満(100g当り)を糖類0(ゼロ)としています。砂糖は食品表示基準における糖類に該当します。糖類とは、糖質のうち砂糖や乳糖、ブドウ糖などの単糖類・二糖類の総称です。
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