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ブロックチェーンで児童労働リスクを可視(見える)化!

チョコレートの原料であるカカオ豆。その原産地では、農家の貧困や児童労働、森林破壊などの問題が指摘されているんだ。このままでは、持続可能なカカオ豆の調達ができなくなってしまう……。

そんな思いから、ロッテはカカオ豆の約8割を調達するガーナ共和国で、持続可能なカカオ産業の実現に貢献する活動、「フェアカカオプロジェクト」を進めているんだ。ガーナから調達するカカオ豆のうち、フェアカカオの割合を2025年度までに100%にするのが、ロッテのESG中期目標だよ(2028年度までに全調達先で100%)。

「フェアカカオプロジェクト」でロッテは、現地のパートナーと協力して、児童労働をモニタリングするCLMRS (児童労働監視改善システム)による支援を行っていて、今回、カカオ豆のトレーサビリティ情報(生産や流通などの履歴)と、CLMRSによる児童労働リスク情報をひも付けて、サプライチェーン上(原料調達から生産、販売までの流れ)の児童労働リスクの詳細を把握するため、「ブロックチェーン」を用いた実証実験を始めることになったんだ。

ブロックチェーンとは、暗号技術を使って、取引を記録する仕組みのこと。情報の正しさが保たれるのが特徴なんだよ。

実証実験では、専用倉庫をガーナ現地に確保して、20〜50程度の近接した農家からなる、「農家コミュニティ」ごとのIDをもとにトレーサビリティ情報を得て、ブロックチェーン上に記録するんだ。それによって、作業負担を少なくしながら、サプライチェーン上の児童労働リスクを可視化(見える化)できるようになるんだよ。

将来的には、「農家コミュニティ」の位置情報と、衛星からの映像情報をあわせて解析することで、サプライチェーン上の森林破壊や、アグロフォレストリー化(森を育てながら農業を行うこと)のモニタリングにも応用できる予定なんだ。

カカオの児童労働撤廃に向けたCLMRSとは

カカオ産地で児童労働撤廃のための活動を推進するNPO 団体「International Cocoa Initiative(ICI)」が開発したシステムで、児童労働監視改善システム(Child Labor Monitoring and Remediation System)の略。20〜50程度の近接した農家からなる「農家コミュニティ」単位で児童労働リスクを把握し、改善を行うための仕組みです。

CLMRSは、子どもが学校に通うことの大切さや、児童労働の定義などについての啓発からスタートして、児童労働の発見・是正だけでなく、モニタリングで地域ごとの課題を明らかにしつつ、フォローアップにより継続的な改善を行うことを目的としています。

児童労働監視改善システム

ロッテのフェアカカオプロジェクトでは、CLMRSによる支援のほか、調達する生産地域を指定して、そこから調達するカカオ豆に一定の割増金(プレミアム)を上乗せして支払う「地域指定購入」も行っており、その割増金が児童労働モニタリングに活用されています。

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