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シール入りチョコレート菓子「ビックリマンチョコ」シリーズから、「機動戦士ガンダム」とのコラボレーション商品「機動戦士ガンダムマン チョコ<スペシャルエディション>」が登場しました。2021年6月の西日本先行発売を経て、8月31日いよいよ東日本での販売がスタートします。コラボは2019年冬以来となる2度目。今回は、アニメ第1作『機動戦士ガンダム』の名シーンを取り上げたシール全24枚を、ビックリマンイラストレーターが描き下ろしました。ビックリマンの企画を担当するロッテの本原正明、ガンダムのコンテンツ企画に携わる創通の山下さん、サンライズの久下さんが語り合う「スペシャルエディション」誕生秘話とは――。

ガンダム界隈が大興奮! 両雄のコラボ、大成功

本原 本日はお集まりいただき、ありがとうございます。おかげさまで、前回(2019年冬発売)の「機動戦士ガンダムマン チョコ」が好評で、今回の「機動戦士ガンダムマン チョコ<スペシャルエディション>」が実現、発売の運びとなりました。お二人にこうして対面でお会いするのは、なんと、前回発売時の座談会で「裏話」を語り合って以来。本当に久しぶりです。まずはぜひ、前回の反響を教えてください。

参考記事:シャアザクライストって何者?! 誕生!「機動戦士ガンダムマンチョコ」

久下 それはそれは、大好評でした! せっかくなので、弊社のアニメを作っている現場(制作スタジオ)へサンプルでいただいた「機動戦士ガンダムマン チョコ」を差し入れに行きました。すると、弊社スタッフや所属しているクリエイターのみなさんは、とても喜んでいました。「どのキャラが出た?」と盛り上がり、シールを一通り揃えるためスタッフが買いに走る、なんてこともありました(笑)。

創通の山下さん

山下 ガンダム界隈(かいわい)で話題になった商品でした。たしかに、関係者が最も喜んでいたかもしれませんね(笑)。クリエーターをはじめとした関係者は、子どものころに熱中していたビックリマン世代の30~40代も多いので、懐かしさがあったのだと思います。そして、懐かしいだけでなく、ビックリマン風にデフォルメされたガンダムのキャラは、いつも見慣れているガンダムのはずなのに関係者の目にも新鮮に映るほど、魅力的な出来だったと思います。

本原 うれしいお話です。「機動戦士ガンダムマン チョコ」の販売動向をみると、コアなファンの多いガンダムですが、気軽に手に取って、買ってくれた人も多かったようで、かなり好調でした。当時はガンダム40周年記念の企画が進行中で、新しいファンの方も入りやすいタイミングだったのかな、と思います。

山下 私たちとしても、ビックリマンとのコラボによって、以前から課題だったコンビニエンスストアやスーパーでの商品展開が叶いました。店頭で手にしたことがきっかけになって、ガンダムのファンになってもらえたらうれしいです。

サンライズの久下さん

本原 販売好調を受けて、私も次の企画を考えないと、と心に決めました。とはいえ、できるだけ早くやりたいと思う一方で、立て続けに出すと、お客さんの気持ちは「また?」となってしまうもの(笑)。販売時期は慎重に検討して、2021年夏ごろの発売をめざすことにしました。

山下 それで、いよいよ制作が動き出したのは、2020年の夏ごろでした。

本原 そうでしたね。私から提案した商品コンセプトが、アニメ第1作『機動戦士ガンダム(ファーストガンダム)』から、名シーンを集めたシールをラインアップするものでした。

山下 名シーンを集めるというアイデアは、最初の案から変わっていませんね。

ロッテの本原

本原 実は、2015年に『スター・ウォーズ』とコラボした経験が生かされています。この時も、「エピソード1・2・3」「エピソード4・5・6」の2バージョンをまず展開し、その後、映画内の名場面をシールで再現した「スペシャルエディション」を発売しました。

山下 以前にはそんな展開をされていたんですね。

本原 ええ。当時、新作映画の公開で盛り上がり、それまでにない幅広い層で人気が出たことがあって。そんな経験をヒントに、「ガンダムでもいける!」と踏みました。ファーストガンダムの名シーンを集めたら、お客さんも「なんか見たことあるよね」「懐かしいね」と喜んでもらえるのでは、と。ファーストガンダムには名シーン、名セリフが多いので、心の中でヒットを予感しました。

躍動感がスゴイ! 表情がいい! あの名シーンがここに!

山下 本原さんの示したコンセプトをベースに、取り上げるシーンについては、私や久下さんのアイデアも盛り込んでいくことになりました。

久下 山下さんから監修の依頼を受けたあと、部内の意見交換の場で、またビックリマンとのコラボ企画を進めていくことを報告しました。すると、上長からは「前回は『地球連邦軍』と『ジオン公国軍』に分けていたよね。次はどの陣営なんだ? エゥーゴ、ティターンズ、アクシズか?(※)」と妙な食いつき方をされて(笑)。冗談はさておき、サンライズ社内での期待も大きかったです。
(※)いずれも、1985年放送『機動戦士Zガンダム』より。

山下 ははは。私たちが考えると、ついマニアックなところをついてしまうので(笑)、ファーストガンダムの名シーンをコンセプトにしたのは、わかりやすくていいなと思いました。本原さんからは、シール上でキャラの「動き」を出したい、というリクエストがありました。立ち姿のイラスト中心だった前回とは違った見せ方にして、「お客さんをビックリさせたい!」という本原さんのこだわりだったのだと思います。

本原 そのために、たくさんのアイデアや意見をいただきました。今回の選定では、どんなところがポイントでしたか?

「ガンダムVSグフ」のシーンもダイナミックにイラストで再現

山下 メインの重要なシーンやカッコいいシーンに加えて、意外なチョイスというか、遊び心も大事にしたくて、知る人ぞ知るシーンも入れています。たとえば、ホワイトベース(宇宙戦艦)料理長の「タムラ」。絶対に入れたかったキャラです! 重要キャラではありませんが、ファンはみんな知っていて、不思議と魅力のあるキャラです。イラストに描かれているのは、戦艦内で塩が足りなくなってしまったシーン。「塩がないと戦力に影響するぞ!」という名言を残しています。

山下さんが熱望したホワイトベース料理長「タムラ」と、前回モビルスーツが登場していた久下さん念願の「黒い三連星」が登場

久下 前回は入れられませんでしたが、今回の「スペシャルエディション」でようやく日の目をみたキャラもいます。「黒い三連星」こと、ガイア、オルテガ、マッシュです。前回は、彼らが操縦するモビルスーツ「トリプルドム」だけがシール化されました。が、1年8カ月越しに、パイロット陣のシール化がかないました! 表情がいいですね。

本原 前回の座談会では、ガイア、オルテガ、マッシュがあえなくラインアップ漏れで、久下さんは残念がっていましたから(笑)。

久下 念願がかないました。ありがとうございます! それにしても、「ガンダムVSグフ」や「シャア専用ズゴックVSジム」などでは、モビルスーツが戦闘するダイナミックな動きを、この小さいシールの中にイラストで再現されている。躍動感がスゴイですね。

シールの画像を見ながら熱心に話をしてくれた

山下 イラストレーターさんが前回同様、とても勉強して、細部を工夫してくださったところがたくさんありました。たとえば、岩山に手をかけて描かれた「ガンキャノン」。これは、オープニングのシーンの再現です。知っている人は「あのシーンだな」と思いますよね。

久下 シャアとセイラ兄妹が再会するシーンを描いた「シャア&セイラ」も、こだわりの一枚です。シールの色味を少なくしたネガフィルムっぽくなっていて、とても雰囲気が出ています。劇中では、このネガ風の色合いから、通常の色に戻っていくドラマチックな演出になっていて。あの場面のインパクトを思い出す、すばらしいイラスト、色合いに仕上げてくださいました。

2枚のシールで「ひとつのシーン」になる仕掛けも?!

久下 ほかに私が好きなのは、「殴ってなぜ悪いか!」のシーンを取り上げている「ブライト・ノア」。有名なポーズです。本来は後ろ向きか、顔半分が見える程度ですが、キャラの顔も見えるアレンジに。そしてこのシールは、「親父にもぶたれたことないのに!」と言い返す主人公の「アムロ・レイ」とペアになっているのがポイントです。

山下 このように、2枚のシールで「ひとつのシーン」になる、というちょっとした仕掛けが隠されています。「ガルマ・ザビ」と「シャア・アズナブル」もそうですね。「ジオング」は、前回のシール「ガンダム・ラストシューティング」とセットで、物語のクライマックスを飾る名場面です。

2枚のシールでひとつのシーンになるシールも

久下 恒例のスペシャルコラボもいい感じですね。

本原 今回はビックリマン、ガンダムのキャラ同士が融合したコラボだけでなく、双方のキャラが横に並んだ構図も取り入れました。前回との違いも取り入れ、お客さんに楽しんでもらえたらと思います。また、今回はすべてキラキラシールになっています。お楽しみに!

山下 西日本での先行販売での反響はいかがでしたか?

本原 ちょうど、映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』公開後、西日本で先行販売がスタートしました。絶好のタイミングに恵まれたおかげか、想定を超えて、かなり好調でした。ガンダムの根強い人気を実感しました。お二人のこだわりが盛り込まれているシールの選定もあらためて、よかったのかなと思っています。

久下 まもなく東日本でも買えるようになるので、楽しみにしています。

本原 それでは最後に、今回の取り組みを振り返って、皆さんはいかがでしたか?

パッケージは2種

久下 またご一緒できてうれしかったですし、とても楽しかったです。もし3度目があるなら……アイデアはありますので(笑)。ガンダム関連については引き続き、さまざまな施策に取り組んでいきます。たとえば、「ガンダムマンホール」プロジェクト。全国のさまざまな場所に、ガンダムのモビルスーツやキャラをデザインしたマンホールを設置し、来訪客を増やすプロジェクトです。第1弾が8月、神奈川県小田原市で実現しました。コロナが落ち着いたらぜひ足を運んでみてください。

山下 今回、いろんな人の意見を取り入れつつ、担当者としての私の思いも盛り込み、バランスもよく24枚をラインアップできました。なによりも、シールのデザイン、構図がすばらしい。コラボ企画ならではのスペシャル感を楽しんでほしいと思います。また、パッケージ裏には、横浜山下ふ頭のアミューズメント施設「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」のロゴ入りです。ここにあるのが「実物大の動くガンダム」。その雄姿をぜひご覧ください。

本原 今日のお話からもわかるように、作り手たちが協力して楽しみながら、企画を進めることができました。こんなふうに楽しみながら「モノづくり」に取り組むことを、ロッテでは大事にしています。作り手の思い、仕事への熱量は、商品を手にしたお客さんに伝わるものだと私は思います。企画者が考え抜いたシーンの選定や見せ方、イラストレーターのこだわり、丁寧な仕事――すべてが合わさってこそ、人を楽しませるモノが生み出せるのではないでしょうか。そんな経験がもう一度できたことにも、感謝しています。ありがとうございました。「機動戦士ガンダムマン チョコ<スペシャルエディション>」をよろしくお願いします!

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