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お菓子をこよなく愛するアナウンサーの渡辺真理さんが、商品の誕生秘話やその魅力を開発担当者に聞く、この対談。第1回は、2003年に誕生し、アイス業界に革新を起こした飲むアイス「クーリッシュ」を取り上げます。昨年は、過去最高の売上額を記録。幅広い世代に親しまれている「クーリッシュ」のブランド戦略担当である北村考志さんに開発秘話を伺いました

見たことのないアイスへの驚き

渡辺真理さん 渡辺
クーリッシュ、大ヒット商品ですね。発売当初、大きな話題になりましたが、最初からヒットすると予想されていましたか?
北村 考志さん 北村
2003年にテスト販売した際、流通からの評価が高く、店頭でも飛ぶように売れていると聞いて、当時の担当者は手応えを感じたようです。まさか、飲料やゼリー状の食品に使われるこの容器(チアパック容器)にアイスを入れてくるとは、という驚きの声は多かったと思います。売り上げは予想を上回り、ついには生産が追いつかず、おわびの社告も出したほどでした。
渡辺真理さん
大ヒット商品が生まれたきっかけは何だったのでしょうか。
北村 考志さん
実は当初、アイス業界は課題が山積みでした。2000年代初頭はペットボトル飲料やチルドデザートなどほかのカテゴリーに取って代わられ、アイスは下火の時代。存在価値を上げるには、あっと驚く革新的な商品が必要なのでは、というところからスタートしました。
渡辺真理さん
アイスと言えば、カップや棒アイス、モナカなどを思いつきますが、クーリッシュはまったく形状が異なります。その発想は会議を重ねて生まれたのですか?
北村 考志さん
はい。市場でのアイスを取り巻く、競合となるカテゴリーの価値を徹底的に調べました。そこで出てきた価値軸をピックアップし、一つに凝縮させようと試みたのです。たとえば、ペットボトル飲料なら持ち運びがしやすいこと、体を冷やすための飲料なら瞬間的にクールダウンできること、ガムなら口直しができること。そういったポイントとなる価値を全部詰め込みました。
渡辺真理さん
すべてを盛り込んだら最高のアイスになる、と?
北村 考志さん
はい。そしてその一つの手段として、アイス業界にはない容器を用いました。
渡辺真理さん
一番大変だったことは何なのでしょうか。
北村 考志さん
従来のアイスでは固まったままになって容器から出てこないし、溶け出したアイスではさらっとした飲料のようになってしまう。固まったアイスと溶けたアイス、その中間である“シェイク”のような状態にするのが難しかったようです。丁度よい温度を見つけるまでには、開発と研究がタッグを組み、試作を重ねました。
渡辺真理さん
それだけ時間も手間もかかっていたら、世に出たときのうれしさは格別でしょうね。
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