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ミントガムでアメリカン・ドリームを実現

チューインガムの定番フレーバーと言えばミント。爽やかな甘さを感じるものから、フルーティーなもの、舌がピリピリするほどの超辛口まで、さまざまな種類があります。

ミントが初めてガムのフレーバーとして使われたのは、1880年代のことです。米国人のウイリアム・J・ホワイトという人物が、ひょんなことからガムのベースに使われる「チクル」の樽を手に入れたことがきっかけでした。当時のガムは味のないものが主流でしたが、彼はチクルにフレーバーをつけ、その味を長持ちさせる画期的な方法を見いだします。その時に使われたのがペパーミント。ホワイトは、ほかのどのフレーバーよりミントの香りが長持ちすることを発見したのです。

「ユカタン」と名付けたペパーミント味のガムは爆発的にヒットしました。町の菓子店を経営していたホワイトは大企業の社長となり、アメリカン・ドリームを実現。「チューインガム・キング」と呼ばれ、下院議員にまで上り詰めました。

味長持ち、アレンジ自在

チクルとは、中南米原産のサポディラという巨木からとれる樹液です。西暦300年ごろ、マヤ族がこのチクルを噛むようになったのが現代のチューインガムの元祖と言われています。

チチェン・イッツァの画像
古代マヤ文明の時代から人はガムを噛んでいた

現在、チューインガムのベースには、チクルなどの植物性樹脂や、酢酸ビニルなど安全性が確認された合成樹脂が使われています。ガムベースには味がなく、甘味料や香料などを加えることで、おいしいガムが出来上がります。

クッキーやチョコレートなどのほかのお菓子と比べ、ガムはフレーバーの添加率が高く、商品の良しあしはフレーバーに大きく左右されます。また、何度も咀嚼することから、使用する香料には香りの強さと持続性が求められます。現在、市販されているガムにはフルーツやコーヒー、ヨーグルト、フローラルなどさまざまなフレーバーがありますが、圧倒的に多いのはミント系のフレーバーです。

グリーンガムのパッケージ画像
ペパーミントの上質で香り豊かな風味の「グリーンガム」と
ひんやりとした爽やかなおいしさの「クールミントガム」。いずれもロッテの超ロングセラー

独特の清涼感があり、香りが長く続くだけでなく、フルーツやスパイス、ハーブなどとの相性がよく、幾通りものアレンジができるミントは、まさにガムにぴったりのフレーバーなのです。

「ミントの世界」より転載

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