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「探検 お菓子の原材料」では、前回に引き続き「雪見だいふく」のおもちを取り上げます。前回は、おもちを冷やしても硬くならない秘密をお伝えしましたが、今回は、できたての温かいおもちで冷たいアイスをどう包み、成型しているのか、その謎に迫ります。

雪見だいふく仕様の“包あん機“で成型

前回お伝えしたように、おもちは蒸練機の中でもち米粉を蒸しながら練り、糖類を加え、さらに練って仕上げます。完成時のおもちの温度は約60℃。トロトロとした粘性のある状態に。対してアイスは、原料を混ぜ合わせタンクのなかでゆっくり休ませ、最後にかきまぜながら-4℃~-6℃まで冷やして仕上げます。

温度も物性も違うおもちとアイスをどう合体させ、あの丸い “雪見だいふく”を成型しているのでしょうか。

使用するのは、包あん機と呼ばれる機械。製作するメーカーと意見を出し合い、既存の包あん機を、雪見だいふく仕様にカスタマイズして完成させました。

包あん機の中では、上から見ると、中央にアイス、その周りを取り囲むようにおもちが入っています。合体した筒状のおもちとアイスは、押し出されるように下に落ちると、付属している特殊なカッターが切断。切り離された上部は、温かいおもちが伸びてアイスに覆いかぶさり、球状に成型できるのです。その後はトレイに入れて急速冷凍し、雪見だいふくは完成します。

包あん機から押し出されてきた雪見だいふく

包あん機の開発によって成型は可能になりましたが、それだけでおいしい雪見だいふくが作れるわけではありません。

使用する原材料によって、おもちが冷たいアイスに触れても硬くならない配合や、冷たいアイスが溶けても変質しない配合を導き出す必要がありました。もちろん、おもちとアイスを、同時に口に入れたときの食感や味わいのバランスも大切。長い時間をかけてトライ&エラーを繰り返し、理想的なレシピを完成させたのです。

これまでの限定フレーバーは50種類以上

基軸をバニラにおいている雪見だいふくですが、これまで「生チョコレート」(2006年)「クリーミースイートポテト」(2016年)「黄金のみたらし厚もち仕立て」(2017年)といった50種類以上の限定フレーバーを販売してきました。

限定フレーバーは、おもちとアイス、両者ともに色や風味を変えることもあれば、どちらか一方だけ変える場合もあります。フレーバーによっては、アイスの中にあんこや黒蜜といったソースを充填(じゅうてん)し、三層にする場合も。雪見だいふくとして、どうフレーバーを表現するかを考え、決めていきます。

「限定フレーバーの開発が難しいのは、新たな素材を加えることでおもちやアイスに与える影響を考慮しなければならないこと。物性や弾力に影響がでない素材の配合を考えたり、素材を投入するタイミングを計ったりする必要があります。フレーバーは、“雪見だいふくになったときに食べてみたいか”に重点を置いて候補を考えるようにしていますが、どんなものでも作れるわけではないので、その選定や配合のバランスを導き出すまでには、毎回、試行錯誤の連続です」(ロッテ中央研究所 アイス研究課・澤田)

多くのフレーバーのなかでも、雪見だいふくとの相性の良さが際立ったのが、桔梗屋とコラボした「雪見だいふく×桔梗信玄餅」(2022年1月発売 ※現在は終売)。です。「桔梗信玄餅」は、ご存じの通り、やわらかいきな粉もちと黒蜜のバランス感が絶妙な人気の和菓子。雪見だいふくでは、黒蜜ソースを、きな粉アイスときな粉もちで包むことで「桔梗信玄餅」を表現しました。

「信玄餅はおもちを使うので、雪見だいふくとの親和性が高い和菓子。雪見だいふくでしか表現できない和のフレーバーに仕上がったと自負しています」(澤田)

「雪見だいふく×桔梗信玄餅」のようにアイスの中にソースを充填するタイプは、「冷凍下でもおいしく食べられる」ソースの工夫や、ソースを真ん中に充填する技術的な工夫など課題も多く、完成までには時間も要します。それだけに味わい深く仕上がり、人気フレーバーになることも少なくありません。

現在販売中の限定フレーバー 「雪見だいふく塩キャラメル」(左)「喜久水庵監修 雪見だいふく×喜久福」(右)

フルーツ系雪見だいふくを模索中

近年、フルーツサンドやフルーツ大福など、フルーツ系スイーツが大流行。雪見だいふくも、フルーツ系フレーバーの開発に力を入れています。

「フルーツを使った雪見だいふくは、これまでも何度かトライしているのですが、配合上の難しさもあり、まだまだ研究を続けている段階です。最近では、フルーツ大福人気が高まっていることもあり、雪見だいふくもフルーツ系フレーバーをご提案できたらと思い、思案を巡らせています」(アイス研究課・矢木さん)

フルーツ系雪見だいふくが、どんなビジュアルでどんな味わいになるのか、想像を膨らませてみてはいかがでしょうか。

の こだわり

昨年、おもちがリニューアル“弾むぷにぷにモチ“に

雪見だいふくは、昨年、40周年を迎えたことを機におもちが生まれ変わりました。その名も“弾むぷにぷにモチ”。心もおもちも弾む、新生・雪見だいふくです。

変化は口に入れた瞬間に感じられます。従来のおもちに比べて弾力がアップし、歯ごたえある仕上がりに。原料は従来のまま、配合のバランスを変えることで、弾むぷにぷにモチを実現しました。

実は雪見だいふくのおもちは、40年の間に9回も改良しています。アイスは長期保存が可能な商品。冷蔵庫の冷凍技術が今ほど発達していないその昔は、おもちの食感を劣化させないための配合の調整が必要だったのです。時代が求める味の追求だけでなく、冷凍技術の変化に合わせて改良を重ねてきた雪見だいふく。まさにロッテのこだわりがいっぱい詰まったおもちなのです。

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